地方創生ビジネスの教科書
(
増田 寛也/監修・解説 )
◆「新書大賞2015」1位に輝く『地方消滅』著者にして「日本創成会議」座長を務める増田寛也氏による、究極の“解決篇”が登場!
◆日本各地に眠る宝の資源を発掘し、磨き、売り込み、稼ぐには? 地方に魅力的な仕事を生むことで、人が集まり、街がつくられ、次世代へもつながる。本書では、「地方創生ビジネス」10の事例を紹介。鍵を握るI&Uターン、地方ならではのIT活用、人づくり・場づくり、補助金からの自立、日本一の売り場へ並べる方法、農協との共存作法、小ささを逆手に取る方法、など「成功の極意」を惜しみなく伝える。
目次
はじめに 「地方消滅」から「地方創生ビジネス」へ 増田寛也
第1章 山形県・鶴岡市
世界が注目する「ハイテク蜘蛛の糸」を開発
蜘蛛のDNAを微生物に組み込んで生まれた「夢の糸」。強さは鋼鉄の4倍。社長はまだ32歳。地元大学発のバイオベンチャーが、素材の世界でイノベーションを起こす。
第2章 宮城県・山元町
被災地発、IT高級イチゴで新市場を切り開く
地元の惨状をまのあたりにした、若きITベンチャー社長がUターン起業。イチゴ職人による匠の技を最新ITで磨き上げた「ミガキイチゴ」は、日本一の売り場に1粒1000円で並んだ。
第3章 福井県・鯖江市
「めがねのまち」から「オープンデータのまち」へ
地元の高専出身。才能あふれるIT少年が、「鯖江から世界を目指す」と宣言。若さと行動力で市のオープンデータ化を実現。シリコンバレーならぬ、鯖江バレーを目指す。
第4章 栃木県・宇都宮市
活用困難資源を観光資源に。「道の駅」型・成功モデル
ヨソから来た事業者が、停滞していた三セク施設「ろまんちっく村」を再生。荒廃した大谷石の採掘場をリニューアルして、地底湖&洞窟レストラン体験ツアーに仕立てる。
第5章 熊本県・山江村
肌感覚のマーケティングで、献上栗のブランドを復活
昭和天皇が愛した「やまえ栗」。農協合併で、安売り栗に身を落とす。地元の中年起業家と村長の奮闘で甦り、遂に「ななつ星」「JALファーストクラス」に採用されるまで。
第6章 和歌山県・北山村
本州一人口が少ない村が、「じゃばら」で大儲け
秘境の村のまずいみかん、邪を払う「じゃばら」。花粉症に効くと判明すると、ウェブ通販で一大ブームに。人口460人ゆえ、村=事業者、町長=社長。直営事業の収入は3・5億円に。
第7章 岡山県・西粟倉村
森林・仕事・人を育てる村の総合商社「森の学校」
過疎の村へ赴任した若き地域再生マネージャー。廃校舎を利用した「森の学校」が、地域のプラットフォームに。木材加工のニッチ分野に進出し、マーケティングを一手に担う。
第8章 北海道・ニセコ町
観光協会の株式会社化とカリスマ外国人の活躍
理想的なパウダースノーを誇るニセコ。オーストラリア人はじめ外国人観光客が大挙して押し寄せる。「夏のニセコ」の魅力も発掘。「世界のリゾート」に躍り出た理由とは。
第9章 愛媛県・今治市
有名デザイナーを迎え、「白いタオル」で世界へ
海外ライセンスブランドの下請けとなり、中国とのグローバル競争にも負けたかつての名産地。過去の成功体験の呪縛を解いたのは、外部から招聘したデザイナーだった。
第10章 島根県・海士町
トヨタ出身・Iターン若者の「持続可能な」離島づくり
隠岐諸島に浮かぶ小さな離島。本州まではフェリーで3~5時間。人口は2350人。「島ブランド」「人づくり」に成功し、前途あふれる若者を引きつける秘密とは。