N-301
日本本土から五千キロ離れた瘴癘の熱地ニューギニア―十五万の日本軍将兵が犠牲となった史上比類のない悽惨苛烈な戦場を描く異色戦記。傷病、飢餓地獄と戦いながら、人間愛を失うことなく、その任務に全身全霊を燃焼させた若き軍医が綴る。生き残りにかけた日本兵たちの姿をとらえた感動のノンフィクション。
N-302
太平洋戦争中、陸海軍が演じた完全なる撤収作戦―ガダルカナル・コロンバンガラ・キスカ三大作戦。敵重囲下におかれたそれぞれの戦場で、作戦担当者は、いかにその重責を果たしたのか。敵撃滅を願いつつ、疲弊する将兵を撤収させるため、一分の隙もなく、整然と遅滞なく進められた撤兵作戦の第一線をえがく。 →新装版(N-1015)アリ
N-303
B29が降らした焼夷弾の閃光は数マイル離れて見ていると、あたかも暗い部屋で巨大なマッチが擦られているようだ―対日戦の切り札、戦略爆撃機B29とM69焼夷弾、そして、ルメイをはじめとする米兵たちの苦悩と恐怖―日米両国の資料と証言をもとに、東京大空襲がいかに計画され、実施されたかを解き明かす。
N-304
ドーバー海峡を越えた長距離要塞砲弾、現代戦にも引きつがれた地対空誘導弾、そして、完成前にペーパープロジェクトとして潰えた高性能ジェット戦闘機や米本土戦略爆撃機など、無敵ドイツの伝説を支えた陸海空軍の武器の数々。連合軍を驚嘆させた傑作から駄作にいたるまで秘録写真で詳解するドイツの究極兵器。
N-305
日本陸軍唯一の水冷エンジン搭載戦闘機キ61飛燕を駆って、10対1の劣勢の中、持てる能力のすべてをふりしぼって戦いつづけた若きパイロットが描く空戦記。連合軍反攻の真っ只中のニューギニアの空に敵機を迎え撃ち、また、その間隙をぬって進攻作戦に飛び立ち、生命のある限り戦い抜いた幾多の青春群像を綴る。
N-306
シベリヤ抑留とは何だったのか―抑留者594000人、死者62000人。零下40度にいたる酷寒の流刑地を転々とたらし回しされながら、故国に帰る日を夢見て厳しい労働と空腹に耐えつづけた苦難の日々―異郷の凍土に青春を空費し、生命を散らした戦友を悼みつつ、今なお心の奥底に刻まれた傷痕をえがく。
N-307
戦艦「武蔵」六万四〇〇〇トン、乗組員総数二九五九名、戦没者一〇三九名―不沈の名を冠する巨大戦艦は、どのように戦い、沈んでいったのか。幼き身で海軍を志し、戦局悪化の中、最前線に駆り出されて奮闘した“海の少年兵”が綴る感動のノンフィクション。知られざる特年兵の真摯な姿と世紀の海戦の地獄絵。
N-308
昭和二十一年一月、陸軍は疲弊した市民を根こそぎ召集する百五十万の動員計画を立て、艦隊なき海軍は三千機の航空機を温存した―二十年秋の九州南部につづいて、関東への進攻が予想された本土上陸戦に、陸海軍は、いかにその戦備を整えていたのか。全国民を組織化させる未曾有の“決号作戦”の全容をえがく。 →新装版(N-909)アリ
N-309
組織が活気を帯び、士気が高揚し、みながやる気を出す指揮官は、いかにして生まれるのか。山本五十六、米内光政、井上成美、小沢治三郎ら四人の海軍軍人に見る指導者の研究―彼らがいかに心を砕いて事態に対処し、現場の指導を実践したかを具体的に示し、その大きな魅力となった人間形成のありようを伝える。
N-310
大戦末期、ドイツ空軍が世界にさきがけて戦場に投入し、連合軍の脅威の的となったジェット戦闘機メッサーシュミットMe262。航空史上に不滅の金字塔をうち建てた傑作機の開発からその最後までを描く話題のノンフィクション。物量で迫る連合軍を前に、孤軍奮闘の戦いを演じた高性能機とパイロットの活躍を綴る。
N-311
ベストセラー『小失敗の研究』三部作の著者による異色の兵器技術編。一国の総力を結集して開発・製造され、国民性を最もよく反映する道具・兵器―日本人が心血を注いで生み出した兵器にはじめて公平な評価をあたえた話題の書。欧米列強の兵器との比較のなかで浮き彫りにされる日本軍と日本人の思想にせまる。
N-312
船乗りにあこがれて越中島の高等商船学校を志し、入校と同時に“予備士官”となることを義務づけられ、戦局の悪化にともなって、最前線へ駆り出された海の男たちの奮戦―捷一号作戦の激闘下、暗黒と焦熱うずまく沈没寸前の防空駆逐艦「秋月」の艦底から奇蹟の生還を果たした缶部指揮官が綴った感動の海戦記。 →新装版(N-974)アリ
N-313
連合軍が驚嘆した規模と性能―攻撃機「晴嵐」三機を搭載、全長百二十二メートル、排水量五千五百トン、速力二十ノット。米本土東海岸を奇襲攻撃するために建造された超大型潜水艦伊400。日本海軍が起死回生の悲願をこめて構想したパナマ運河攻撃計画の全容と、“海底空母”と呼ばれた悲劇の潜水艦の生涯をつづる。
N-314
日本本土から飛行30時間アメリカを直撃した秘密兵器。直径10メートルの気球は和紙と蒟蒻糊で作られ、焼夷弾を懸吊し、高度1万メートルの太平洋上を音もなく飛翔する。国運を賭して厖大な労働力と国家予算の1割が投じられた奇抜な作戦の全貌。
N-315
陽のあたる航空部隊や艦船部隊の蔭に埋もれ、歴史のかなたに忘れ去られようとしている『蔭の戦士』たちの知られざる苛烈な日々を、基地設営隊指揮官が書き綴ったもう一つの太平洋戦争。最前線の戦場で航空基地建設に携わったみずからの体験と基地設営戦のAからZまでを、今に語りつたえる類書なき貴重な一冊。
N-316
マリアナ沖海戦敗退後、戦勢挽回の切り札として日本海軍が開発した特別攻撃機『桜花』―全長6メートル、全幅5メートル、一人乗りの滑空機で弾頭部に炸薬1.2トンを搭載する。自らの肉体を爆弾と化し、空母を一撃で沈めることに賭けた若者たちの姿を機体誕生の裏側と無残な特攻作戦の実態とともに伝える。
N-317
スターリングラード、北アフリカ戦線と並び称される太平洋の激戦場・硫黄島。南北8キロ、東西4キロにわたる小島に展開された栗林兵団と米海兵隊との寸土をめぐる攻防戦を生存者の証言で辿った感動のノンフィクション。米軍の物量攻撃に対する日本軍の地下要塞戦の実状を詳細な図面で見る陣地要図3点を収載。 →新装版(N-894)アリ
N-318
海軍省や軍令部にあって海軍経営にあたり、戦争を推進し、あるいは連合艦隊司令部にあって作戦を立案し、実施させた海軍中央の将星たちの“人間性”に焦点をあてたユニークな海軍人物伝。歴史の事実に即しながら昭和史の検証を試み、戦争をリードした人々の指揮官としての判断力と技量の優劣までも問う話題の書。
N-319
日露戦争で機関銃と大砲の威力が突撃精神を圧倒することを学んだ日本陸軍が、なぜ太平洋戦争で米軍戦車に肉薄攻撃をかけたのか。そして、日本兵が携えた兵器がいかに粗末な設計で低品質であったかは玉砕の島々が証明した。日本の敗退を“生産力の違い”とする歪曲した史実を技術者の視点から鋭く抉る衝撃の戦史。
N-320
ロシアの内戦と民族紛争に揺れる黒海に国連の要請で派遣された米戦闘群。戦略拠点クリミア半島を国連管理に委ねんとするロシア軍司令官に黒海艦隊は反旗を翻し、米軍をまきこんだ壮絶な戦いが始まる―。敵意に満ちた“ロシアの湖”で退路と補給路を断たれた空母ジェファーソンは起死回生の奇策に全てを賭ける。
N-321
母艦搭乗員として零式観測機を、また、零式水偵を駆って水上機乗りひとすじに歩み、偵察に掩護に、そして爆撃に死闘をかさね、修羅場をくぐりぬけた不屈の男の空戦記。不況と貧困の時代に生をうけ、大空に己れのすべてを賭けざるを得なかった“昭和の申し子”予科練の若者たちの生と死をえがいた感動の墓碑銘。 →新装版(N-1035)アリ
N-322
豊かな経済資本と重厚な工業力を背景に枢軸国側を圧倒した連合軍。綿密周到な戦いを演じた勝者には、奇抜、大胆なる発想の兵器は生み出せなかったのか―ドイツ軍も驚愕した超巨大兵器の数々や想像を絶する「氷山空母」など知られざる連合軍の奇想天外な武器を網羅した究極兵器の集大成。『英独レーダー戦』併載。
N-323
太平洋戦で戦場の主役となり得なかった日本の兵器は、なぜ、欧米諸国に遅れをとったのか。究極のレシプロ機「震電」、本土決戦用「水中高速潜水艦」、日本陸軍バズーカ砲「噴進弾」など、第二次大戦のさなか、連合軍を打ちやぶる兵器開発にとり組んだ陸海軍の技術者たちの奮闘。『陸海軍の兵器開発と製造の歴史』収録。
N-324
角帽を脱ぎ捨てて、最前線の空へ…。ペンを持つ手に操縦桿を固く握りしめた学徒士官を描いたイラスト・エッセイ。あふれる情熱の果て、短期養成二ヵ月で苛酷な戦火の下に身を投じた若者たちが織りなす数々の青春群像。家族、友人、愛する人、そして神宮外苑―戦時下の学生気質を心温まるエピソードで綴る。
N-325
2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービルを襲った自爆機。衝撃の映像は全世界を駆けぬけ、新しい戦争の幕開けに人々は戦慄した。世界の各地で多発する高度な科学技術を用いたテロの全貌を詳述し、その実状にせまる話題の一冊。アフガン、中東に熟知した著者がテロの戦略と展望、対処法を解明。
N-326
高度な技術を駆使した兵器群でまたたく間にヨーロッパを席巻したドイツ軍―ジェット戦闘爆撃機、戦略ミサイル等のハイテク兵器を他国に先がけて実用化し、テクノロジーで米英ソの屈服を画策した第三帝国は、なぜ敗れたのか。連合軍を震撼させたはなやかなウェポンの背後に潜む問題点を鋭く抉った第二次大戦史。 →新装版(N-1212)アリ
N-327
古代都市ポンペイを襲ったベスビアス山噴火のごとくドイツの都市を壊滅させた連合軍の重爆撃機群。大戦末期、欧州の空で祖国の安泰と騎士鉄十字章の誇りにかけて、連夜の邀撃戦を勝ちぬいた若き飛行隊長の戦い―ドレスデン、ルール工業地帯の上空に絢爛たる火花を散らす夜間防空戦闘を活写した感動の空戦記。
N-328
空母「赤城」「翔鶴」重巡「熊野」等に乗り組み、唯一の報道カメラマンとしてミッドウェー海戦を、ソロモンの死闘を激撮しつづけた不死身の特派員が描いた日米空母戦記―カメラを片手に多くの精鋭パイロットたちと語り、司令長官や参謀長の素顔に接しつつ、“炎の海”をくぐり抜けて来た命懸けの戦場レポート。
N-329
築城、道路構築、渡河、架橋などの重責を担い、機械化の時代を迎え、さらに激戦下の最前線へと身を投じた“影の軍隊”工兵隊を徹底研究──歴史に登場した工兵隊の成り立ちから、日本工兵の発展とその機材にいたるまで写真と図版四百余点で詳解する決定版。 →新装版(N-1208)アリ
N-330
名将という資質と人間的魅力において、連合軍の提督をはるかに凌いだ日本海軍五人の提督。小沢治三郎、山本五十六、吉川潔、山口多聞、草鹿龍之介から学ぶ決断の方法―強力なる大敵を前にして劣弱な戦力を最大限に活用した指揮官の勇気と知恵は、いかに涵養されたのか。人格に拠る戦機の掴み所を描く海戦記。
N-331
欧州と太平洋の航空戦で圧倒的な勝利を収めてわずか五年後、米航空部隊の自信は "朝鮮戦争" の勃発で打ち砕かれた――。航空機の性能不足と政治的制約の下、熾烈な対空放火とMiGの群れの待ち受ける北の空へ出撃していった米空軍・海軍パイロットたちの戦いを幾多の証言から精密に再現する "忘れられた戦争" の記録。
N-332
ベストセラー「小失敗シリーズ」の著者が贈る決定版・シミュレーション戦記―大戦末期、アメリカの原爆製造の情報を入手した日本陸軍は、米本土へ工作員を潜入させ、その実戦配備の阻止を計る。ユダヤ人協会と富豪中国人一族の協力を得て任務遂行にかけた若き日系二世が、日米を舞台に活躍するヒューマンロマン。
N-333
なぜアメリカは執拗にアフガニスタンに軍事介入したのか―米同時多発テロに始まる『21世紀型の戦争』の知られざる要因を描いた衝撃の書。アフガン周辺の天然資源の獲得に奔走する大国のエゴに挑んだ過激派勢力の趨勢と世界の思惑を超えたイスラム陣営の動向を中東歴訪の軍事・外交評論家が明快に説き明かす。
N-334
強大な連合軍空軍に対抗すべく、数々の傑作機を生みだした日本航空技術陣―グラマンの追撃をふり切った艦上偵察機彩雲、長大な航続力を誇る二式飛行艇、液冷戦闘機飛燕等、精巧なメカニズムや完成までの苦難の道程を、個々の機体に携わった開発・設計者が綴った話題作。付・十二試艦戦零戦試作過程写真集。
N-335
日本本土から太平洋を越えてアメリカの中枢を爆撃し、はるかヨーロッパに至る超重爆撃機富岳―B29を陵駕する六発巨人機の開発に日本の命運を賭した技術者たちの戦いを描く話題作。戦略爆撃の威力を予見し、爆撃機完成に全身全霊を傾けた飛行機王中島知久平の人物像を軸に戦時下の日本航空工業の実力を綴る。
N-336
勝利か敗北か―指揮官の責任とは何か。国際経済ジャーナリストの目がとらえた史上最大の日米決戦の真実。国家の存亡を賭けて対峙した日米両艦隊は、いかに雌雄を決したのか。また生と死の関頭に立ち、日米の指揮官はどう考え、将兵はいかに戦ったのか。日米両軍の動きを対比させながら描く新視点の太平洋海戦記。
N-337
昭和十九年六月、孤立無援の東部ニューギニアで味方部隊の再来を信じて篭城した日本軍兵士十七名。熱帯雨林の下、飢餓と悪疫、そして掃討戦を克服して生き残った四人の男たちのサバイバル生活を克明に描いた体験記。敗戦を知らず、十年間の“生存”に挑んだ逞しき日本兵たちのノンフィクション。
N-338
その生涯に二度「敗戦」の悲哀を味わった風雲児柴五郎―十歳のとき会津落城を、そして八十八歳のとき陸軍の最長老として大日本帝国の敗北を…。政治小説「佳人の奇遇」で文名を謳われた柴四朗を兄に持ち、北京篭城戦でその名を世界にとどろかせ、賊軍の出ながら大将にまで昇りつめた波瀾万丈の足跡を辿る。
N-339
日本海軍最強の機動部隊・旗艦「赤城」にただ一人の報道カメラマンとして乗り組み、巨大空母の運航、司令部要員の動向、そして若き搭乗員の素顔にも接した著者が描いた海戦記。襲い来る雷撃機との迎撃戦、急降下爆撃機の命中弾に揺れる凄惨な艦内の状況など、ミッドウェー海戦をカメラの目で捉えた日米空母の激突。
N-340
日本本土を壊滅させたB29四発爆撃機に匹敵する威力を島嶼戦でしめした米軍の水陸両用戦車、第一次大戦のにがい戦訓を結実させて機動力で敵部隊を圧倒したドイツ軍2号戦車、大規模なペニシリンの量産プロジェクト―戦場をささえ、勝利に貢献した兵器の運用・開発過程を掘り起こし、戦争の死命を制する“運用と技術の結合”を究明する技術戦史。知られざる史実に光をあてた話題の兵器読本。
N-341
第一次世界大戦の敗北から十五年、栄光のドイツ海軍復活への期待を担って建造されたポケット戦艦を皮切りに、次々に誕生した戦艦・巡洋戦艦・装甲艦。強大な英海軍との戦いで堅牢さと攻撃力の高さを証明しながらも、ヒトラーの“不信”と“指導”によって悲劇的な最期を迎えた七隻の戦いの生涯を描くドイツ戦艦物語。
N-342
二次大戦で敗者となるも、その卓越した技術力を世界に知らしめた日本艦艇群。英米の量に対抗する“個艦優越”に挑み大艦巨砲の到達点を示した戦艦「武蔵」、世界初の全溶接艦として造船史に足跡を印した潜水母艦「大鯨」など個々の艦艇に携わった造船官が綴る完成までの道程。付・伊58潜水艦“建造過程”秘録写真集。
N-343
敗戦の焼土と復興の槌音の中に大いなる感動を走らせた『連合艦隊の最後』に続く白眉の伊藤戦史。日本海軍に日本民族の誇りを見る著者がその興隆に感銘を憶え、滅びの後に汲みとられた貴重なる遺産を後世に伝える不朽の名著。鎮魂の思いと共に“大いに興るもの”への憧憬と清冽な精神の在り方を啓蒙する感動の代表作。 →新装版(N-1080)アリ
N-344
毎分一五〇〇発の発射速度と簡易操作で連合軍を震え上がられたMG42機関銃、小銃のボルト機構部に革命をもたらしたモーゼル小銃、ドイツ将兵のシンボル・P08ルーガー拳銃、MP40短機関銃など独創的な技術によって“無敵ドイツ軍”の神話を支えた歩兵兵器の集大成。ドイツ兵器を多角的に捉えた話題の技術戦記。
N-345
大正三年、世界最強力の超ド級巡洋戦艦「金剛」型二番艦として誕生し、列国海軍垂涎の的となり、その後の日本戦艦群の建造に大きな影響をあたえた「比叡」―軍縮条約の荒波を凌ぎ、練習艦で雌伏の時を過ごし、近代化改装をへて第一線艦として蘇る。太平洋戦争を最もよく戦った戦艦の波瀾の航跡を描いた軍艦戦記。 →新装版(N-914)アリ
N-346
満州国崩壊―そのとき、日本人は何を考え、どう生きたのか。日本人が入植して造りあげた町・安東。ソ連軍進攻にともなって地獄図絵と化した国境の町でくりひろげられた敗戦国民・日本人の長く苦しい暑い夏。官僚でもなく、軍人でもなく、財閥とも無縁な市井の人々の苦闘の時代を描く感動のノンフィクション。 →新装版(N-1030)アリ
N-347
卓越した日本の航空技術力が生み出した珠玉の傑作機は圧倒的な連合軍空軍をも驚嘆させた――焦土と化した日本本土で戦勢挽回を図るべく、最先端の技術を集結させて新鋭機完成に挑んだ開発・設計者たちの物語。大戦末期に登場した五式銭、亜成層圏を飛んだ新司偵などの製作の全貌を描く。付・軍用機秘録写真集。
N-348
『国を富まし、兵を強くする』の国家的スローガンの下、強兵を追求すれば国力が軍事力の犠牲となり、国力停滞は強兵の実現を不可能とし、日本は崩壊の道へ悲劇のプロセスを辿る―アメリカとの物的戦力差を明らかにすると共に、その非力を補填する精神主義に基づく人的戦力形成の恐るべき実態を捉えた話題作。
N-349
不沈戦艦と謳われた「大和」艦橋左舷で一水兵が戦闘見張り中に見た日米激突の世紀の大海戦の地獄絵。レイテ沖海戦に臨んだ下級兵士たちは“艦”を守るため個々の部署で、何を考え、どのように戦い、そして死んでいったのか。今もなお「大和」の鋼板の破片を体内にとどめる著者が描いた感動のノンフィクション。
N-350
海底油田の領有を巡り周辺諸国がしのぎを削る南沙諸島。その一角にある中国軍監視哨が正体不明のミサイルに破壊された。陰謀と危険に満ちた一触即発の海域を行動中のマグルーダー司令官率いる米空母戦闘群は、一気に南シナ海の支配権を握ろうとする中国軍の最新鋭戦闘機・潜水艦との熾烈な闘いに叩き込まれる。
N-351
独英の電波が飛びかうヨーロッパの空で見えざる敵を探知し、追跡し、苛烈なる空中戦を展開したドイツ夜間戦闘機―圧倒的な物量でドイツの中枢に襲い来る連合軍爆撃機群に立ち向かった「暗闇の騎士たち」の初出撃から終焉までを描く感動の空戦記。高度な機器材と戦闘法に裏打ちされたドイツ夜戦搭乗員の活躍。
N-352
“カミカゼ”特別攻撃のさきがけとなった二〇一空にあって志願して特攻隊員となりながら、運命の糸に操られて奇しくも生き残りえた予科練搭乗員が、関大尉、久納中尉、植村少尉、国原少尉をはじめ死出の旅路に赴いた幾多の搭乗員たちと共に過ごした特攻基地での日々と彼らの真情を伝える感動のノンフィクション。 →新装版(N-1005)アリ
N-353
性能向上と兵装充実という難題を凌いで“個艦優越”を結実させた日本艦艇群。五五〇〇トン型軽巡の威力を駆逐艦級に搭載した「夕張」、その成果を発展させて列強海軍を震撼させた「古鷹」型。空母の直衛艦となった新艦種「秋月」など個々の傑作艦建造までの道程を担当者が綴る。付・重巡洋艦「高雄」建造過程写真集。
N-354
人車一体―戦車を自らの分身と思い、満州の過酷な訓練で鍛えあげた一兵士が孤立無援の玉砕島サイパンで演じられた凄絶な“夜間強襲戦”の全貌をえがく。戦後三〇年、私財を投じて、悲劇の島の熱砂の中から赤錆びた戦車を掘り起こし、故国帰還を成就させた著者が、戦車兵の勇戦健闘の精神を現代に伝える鎮魂譜。 →新装解説版(N-1315)アリ
N-355
飛行時間一九九四時間、戦闘飛行四九五回、うち空戦一〇〇余回。敵機三二機を撃墜した不死身のエースが戦後五十年余をへて初めて綴る感動の空戦記。搭乗員の墓場と呼ばれた落日のソロモン戦線で、その中核となり、米陸海軍航空隊を迎え撃った若きパイロットたちの死闘を描いたノンフィクション。
N-356
幕府海軍初の練習艦「観光丸」の登場から対米作戦用の巡洋潜水艦まで、第一線の主力艦発達に見る日本建艦史―幕末、日清、日露、欧州大戦、条約時代と続く列強との戦いの果てに、日本海軍独自の「八八艦隊計画艦」を生み出すにいたった卓越した造艦技術の変遷と、その背景を描いた技術戦史。八八艦隊未成艦図収載。
N-357
兵役、赤紙、戦陣訓、千人針に代用食。半世紀の時の流れと経済優先に邁進した戦後に置き去りにされた“言葉”で綴る戦争中の暮らしの記録―死語となった忘れてはならない“昭和の一〇〇語”を明治・大正にまでさかのぼって詳解し、戦争の時代の状況を分かり易く伝える。付/開戦終戦詔書・大日本帝国憲法全文。 →新装版(N-1320)あり
N-358
第一回大宅壮一ノンフィクション賞作家が「戦争の実態」と「人間の本質」を問う感動作。大本営に見捨てられ、補給も途絶え、地を這い、河に流され、ぼろぼろになるまで戦いつづけた兵士たちの赤裸々な心情を伝える。
N-359
大型機を作るには、技術力だけではなく設備、労力、資金、経験が必要であるが、完成後は、運用効率は大幅に向上する。日本航空の歴史が始まってから終戦まで巨人機と呼ばれた陸海軍の代表機20機をその開発とメカニズムを軸に誕生の背景、大型機に対する思想と運用、それぞれの機体の足跡などを詳解する航空機物語。
N-360
当時、私は「人生二十五年」と覚悟した。私は二十二歳の見習い士官だった。壮絶な戦場だった。人間の生命なんて、虫ケラ同然、命令絶対服従社会だ。戦場に送り込まれるために育った我ら大正十年代。砲煙弾雨と飢餓。これが本当の戦記なんだと思っている。なにを隠そう、これが戦争、これが戦場。
N-361
圧倒的な連合軍との決戦に際し、勇敢で強靭に戦った八隻の艦艇。ソロモンの軽巡「神通」、比島沖の戦艦「山城」、空母「瑞鶴」、駆逐艦「秋月」等、自らの責務を果たすため、人艦一如の戦いを演じた乗員たちの資質とは何か。窮地に陥るもなお、戦場を見据えた海軍軍人たちの真摯な姿を描く。
N-362
戦争の“近代化”に不可欠の存在であった戦車、装甲車など強力な歩兵直協部隊の兵器とその誕生から発展を徹底研究―発動機と装甲を組み合わせた機甲という新しい戦力はいかに第一線に投入され、機械化の威力を戦史に刻み込んだのか。試製第一号戦車から装甲兵車に至るまで機甲部隊の全貌を写真と図版で詳解する。
N-363
機上作業練習機「白菊」―可憐な草花の名で呼ばれた同機は、海軍の偵察用員の練習機で最大時速二百三十キロ足らず。大戦末期、「白菊」は特攻機に改造され、二百五十キロ爆弾二発を搭載し、新鋭の実用機に伍して猛烈な弾幕を浴びながら敵艦めがけて体当たり攻撃を敢行するという悲劇を、誰が想像できたであろう。
N-364
子供の頃に「空飛ぶ機械」に魅了され、飛翔への夢断ちがたく、昭和の航空時代到来とともに、航空記者への道を歩んだ著者が綴る日本航空界のアンソロジー。竹トンボからジャンボジェットにいたる「空飛ぶ機械」に想いを馳せるヒコーキマニアの心境を語りつつ、戦前から戦中戦後と変遷を遂げた航空界の裏話を描く。
N-365
新しい技術と斬新なアイデアを駆使して独自の火力を開発し、戦後、各国兵器の発展に大きな影響を与えたドイツ火砲。ロケット砲、無反動砲、高・低圧砲など多岐にわたるドイツの制圧兵器の全容を徹底解剖する話題の技術戦史。試作から実用砲、捕獲砲までも網羅し、卓越したドイツ防空体制も紹介する。写真170点。
N-366
つねに海軍航空の中核となって最前線で戦い、屍に屍をつんだ予科練搭乗員―死闘の大空から奇蹟的に生還しえた二千五百飛行時間の不屈の空の男が、戦死率八十七パーセントに達した悲劇の同期たちの胸中を痛恨の思いで綴った感動作。真珠湾の黎明から落日の沖縄まで、海軍魂とともに戦った搭乗員たちの空戦記。
N-367
玉砕は太平洋戦争が生んだ悲劇である。グアム守備隊の壊滅後、報道班員一行は島の北端に追い込まれ、自決か突撃かの関頭に立たされた―荒涼たる岩礁地帯からジャングルに分け入り、雨と飢渇と絶望と戦い、生命の極限状況のもとで、流浪の果てに、奇しくもアメリカ兵士と対決するまでの二ヵ月間を描く感動作。
N-368
空力抵抗を減らす洗練された機体形状、翼断面形、2翅固定ピッチプロペラなど東京帝大航空研が独自の技術を駆使して周回航続距離世界記録を樹立させた名機「航研機」―より遠く、高く、速くと、三大目標に挑戦したA‐26、研三、ロ式B型の研究機に賭けた日本航空技術者の苦難の道程とその成果を描いた話題作。
N-369
空を埋める対空砲弾、襲いかかるフォッケウルフ、眼前を墜ちてゆく僚機。次はおれの番だ…恐怖に震える十人の若者を乗せた「空の要塞」は死の空を突き進む。第二次大戦末期、帰国を約束する三十五回のミッション完了の日を夢見てドイツへ飛んだ米重爆乗員が直面する“本物の戦争”をリアルに描くウォー・ノベル。
N-370
海軍航空の中枢、新鋭機開発の実験機関、そして歴戦搭乗員たちの実戦部隊として伝統に輝く横須賀航空隊―ロケット機「秋水」の悲劇をはじめ、頻発する飛行機事故に果敢に対処した気骨の衛生兵曹が大戦下の精鋭部隊の苛酷な日々を克明に描いた感動作。若きパイロットの素顔と陰で支えた地上勤務員の哀歓をつづる。 →新装版(N-1184)アリ
N-371
日本造艦技術の最高・最大の産物にして戦艦発達史の頂上に君臨する「大和」―その比ぶべくもなき堅固な船体構造から周到なる射撃システム、光学機器、防御甲鈑、電探兵装に至るまで、完成までの道程を開発・建造に携わった造船官らが詳述する話題の技術戦史。超戦艦誕生の知られざる現場を各担当者が語りつぐ。
N-372
比島山中に戦い、敗れ、そして飢えた。苦闘の果てに斃れた戦友たちはもちろん、九死に一生を得て帰ってきた人たちも、黙して多くを語らず…。山岳遭遇戦とマラリヤの恐怖に加えて、“飢渇”という真の極限下におかれた敗残日本兵たちの生きざまを赤裸々に描いた衝撃の戦記。生き残り兵士の『魂』の叫びを伝える。
N-373
諸君はすでに神である―大西長官から特攻を命じられてから、アメリカ空母に体当たりを敢行して生を全うするまで、逃れられない死と直面しなければならなかった若者たちの秋霜烈日の青春の時を綴る感動作。三十年間「特攻」を追い続けてきた映画監督が、多くの証言を得て五人の搭乗員の懊悩葛藤を描く鎮魂譜。
N-374
一九四〇年夏、イギリスの存亡を賭けた世界最初の航空決戦のページェント―バトル・オブ・ブリテン―チャーチル首相が『人類史上、かくも少ない人が、かくも多数の人を守ったことはない』と最大級の賛辞で語る戦いの全てを詳解。刻々と変化する航空戦を立体的に描いた決定版ビジュアル戦記。
N-375
昭和十九年十二月、レイテ海戦に敗れ、敗色濃厚となった日本海軍の中にあって智将・木村昌福率いる第二水雷戦隊は、ミンドロ島米軍泊地に決死の殴り込みを実施した―太平洋戦争の掉尾を飾った勝利の夜戦を克明に描く迫真の海戦記。戦後、インタビューで浮き彫りとなった栄光の瞬間を捉えたノンフィクション。
N-376
不条理と混乱の中に裁かれて、はるかな孤島に青春を空費する部下将兵の不幸に際会し、将たるがゆえに自らに十字架を課し、荊棘の道を歩まねばならなかった偉大な軍人の生涯―人間愛をもって、ジャワ、ラバウルに栄光をしるし、常に日本軍将兵の心の拠り所として慕われた“人情将軍”の魂の軌跡をたどる感動作。 →新装版(N-934)アリ
N-377
米陸軍のP51マスタング、英海軍の戦艦キングジョージ五世級、ソビエト陸軍の重戦車JS2など、戦場の要請に応え、国の総力をあげて生み出された陸海空の傑作兵器―第二次大戦の趨勢を決した航空機、艦艇、戦車の名作をとり上げ、最強を名乗るその条件を示した話題作。図版・写真を駆使したビジュアル決定版。 →新装解説版(N-1279)アリ
N-378
昭和十八年十一月、ソロモンの制空権は連合軍に掌握され、ブーゲンビル島北部ブカ地区の七千名の海軍部隊は、補給を断たれ、飢餓と瘴癘の地に孤立した―学徒出身の若き海軍主計大尉は猛烈なる敵の砲爆撃下、言語に絶する悪戦苦闘を生きぬき、その任務を全うする―南溟孤島戦の凄惨な姿を描いた感動の戦記。
N-379
歴史のはるか遠い所に忘れられたままの知られざる「連合艦隊」のリーダーたちの堂々たる生涯―つねに最前線の戦場で戦いつづけた気骨の軍人たちの生き様をえがいて感銘を呼ぶ話題の海軍人物伝。海軍の中間管理職に立つ者として、部下将兵を率先垂範し、任務遂行に邁進した八人の指揮官の清新な軍人魂を伝える。 →新装版(N-854)アリ
N-380
史上空前の航空機が投入された空の戦いバトル・オブ・ブリテン―英独空軍のスピットファイア対メッサーシュミット戦闘機の空戦図式に代表される航空決戦参加機を網羅した話題作。独空軍の曲者水上機や英空軍の偵察機、掃海機など、個別の軍用機をその開発から、運用法、性能まで、各型別に詳解。精密図版収載。
N-381
石油資源の確保を大義名分に、無謀なる戦いを挑み、苦難の末に獲得しながらも貴重なる石油資源を活かし得なかった、無能ともいえる戦争指導者。技術軽視の風潮の日本陸軍にあって、最高の人材を擁し、自由闊達なアカデミックな気風が横溢した燃料研究・開発機関の知られざる活動を描く話題の技術戦史。図版多数。
N-382
史上初めてジェット機同士の空中戦が行われた朝鮮戦争で、ミグ戦闘機撃墜数トップを誇る栄光の第4戦闘航空群――その一員としてミグ・キラーとなり、敵地出撃一〇〇回を達成した米戦闘機パイロットが克明に綴る戦いの日々。空対空ミサイル出現前のF-86対MiG-15の熾烈な空中戦を迫力の筆致で再現する。
N-383
比類なき海中戦闘を演じた恐るべきドイツ潜水艦を徹底研究……Uボートの黎明期から、無差別破壊戦に挑んだ一次大戦、ヴェルサイユ体制下の雌伏期、そして二次大戦の栄光と苦悩、崩壊の時代。高性能ヴァルター艦に到る各型メカニズム、兵装、運用、作戦指導など、ドイツ潜水艦を徹底解剖。
N-384
栗田艦隊は『情報』を操作したのか―。戦艦「大和」艦橋の中枢部にあって、艦隊司令部の作戦指導につぶさに接してきた一海軍予備学生が、シブヤン海の迷走、そして、突入を目前にした謎の反転などレイテ海戦の真実を描く話題の海戦記。その任務ゆえに海戦後に投じられた比島山中の飢餓と彷徨の果てに待つものは。
N-385
戦いは勝たねばならない。勝つためにはいかなる無残、非人道も許されるのか。終戦前、華北・山西の黄土地帯において転進命令伝達の任務をおびた挺身部隊は孤立無援の敵中要塞に立て篭もった―戦災孤児を救い、中国軍の賞賛を浴びた部隊は、降伏勧告を退け、最後の決断の時を迎える。感動の表題作他一篇収載。 →新装版(N-1152)アリ
N-386
米陸軍のM4シャーマン戦車、日本海軍特型駆逐艦、日本陸軍の巨砲四〇榴など用兵者の理想を具現化させるために先端技術を駆使して造り上げた傑作兵器―近未来の最前線の動向を見すえて、敵を殲滅するために登場した第二次大戦中の最強と謳われた“兵器”の条件をとらえた話題作。ビジュアル決定版兵器博物誌。
N-387
自己の命をはかない境遇にさらしながら将兵の命を保全する―現役軍人として国家に滅私する責務を担い、そしてまた医者として、その重い務めを自らに課す。連合軍側が『世界で最も頑強な戦い』と驚嘆するニューギニアの最前線において若き軍医は圧倒的な力と対峙して、何を成し得たか。感動のノンフィクション。 →新装版(N-919)アリ
N-388
かつてこの国の指導者は、若き生命もて敵艦に当たらせんと、叡知をつくして、無残、無謀なる戦争指導を行ない、その多くは戦後に生き長らえた。その命令をうけて戦場に赴き、非業の死を遂げたる戦友の死の真の姿を後世に伝えんとして奇しくも生きのこりたる著者が、戦史の空白を埋めた『陸軍船舶特攻隊』の最期。
N-389
艦船ファン待望の“軍艦のルーツ”を探る艦艇学入門―一七七六年に設計された世界初の潜水艇から、ナポレオン戦争、南北戦争などに出現した知られざる水中兵器の数々。二十世紀にいたり完成した潜水艦の形態、構造など、精密な図版と写真でビジュアルに描く潜水艦発達史。日本潜水艦の建造史も併せて詳解する。
N-390
玉砕の精神と思想に、一貫して存在し、証されたものは、友軍に生地をあたえる人々の最後の生き様、死に様である―昭和十九年六月、北ビルマの山岳戦場でラモウ守備隊千三百名は、十二の陣地に拠って、完璧なる持久防御を展開した。全滅しないかぎり、敵に地歩を許さない信念に貫かれた日本将兵の壮絶な戦い。
N-391
戦争末期に創設された新鋭の兵種である日本陸軍『機甲』部隊。戦車を中心に、その装甲機動力を発揮し、敵陣を突破、後方の戦略拠点を占領する―欧州戦に学び、立ち後れた陸軍兵器技術の発展に賭けた陸軍中将原乙未生の生涯。国産第一号戦車の開発に従事し、陸軍近代化の道をめざした苦難と研鑽の日々を描く。
N-392
現代に語りつぐ勝利への空戦哲学!大空の決戦に出撃すること二百余回、幾たびか死線を超えて不死鳥のごとく生還を期するエース坂井が、人生に何事かを成し遂げんとする現代の人びとに贈る一冊!
N-393
明治黎明期から太平洋戦争の末期まで、日本陸軍の独自の運用思想に支えられて試作製造された異色の兵器。村田経芳の初の国産小銃完成までのエピソードから米軍の上陸戦に備えた水際決戦噴進砲、五式砲撃艇、女性も使える携帯阻塞弾、陸軍電池魚雷など衰勢と資源枯渇の中で作られた兵器の誕生プロセスを詳解す。
N-394
空と海を米軍に包囲されたソロモン諸島コロンバンガラ島の将兵一万二千余名を救出するため、陸海軍集成の大発部隊は砲火を押して決死的輸送を敢行した―昭和十八年九月二十六日から実施された撤収作戦の最前線で指揮した海軍少佐が周到な準備段階から撤退完了まで克明に描き、地獄の戦場の一筋の光明を綴る。
N-395
「赤城」「隼鷹」の艦爆隊長として、緒戦の真珠湾攻撃からマリアナの航空決戦まで大空の戦いに身を挺して奮戦、敢闘した空の男の不屈の青春記録。“艦爆の神様”江草隆繁少佐の下、射撃、急降下爆撃、空中戦等々、苛酷な猛訓練に耐えぬいた開戦前の海軍航空隊の“旭日”の勢いなど搭乗員が知る第一線の息吹きを伝える。
N-396
一九四一年夏、ドイツ空軍の奇襲攻撃で壊滅的な損害を被ったソ連空軍。国土が戦場となり、工場疎開を余儀なくされたソ連航空陣は、いかにしてドイツ空軍を打倒したのか―革命前、航空黎明期の翼幅28メートルに達する「有翼電車」の製作から、スペイン、ノモンハン戦争に到るまで、知られざるソ連空軍を詳解。
N-397
驚異的な米軍の物量攻勢の前に守備隊は孤立無援となり、鬱蒼たるジャングルに駆逐され、抗日・モロ族とのゲリラ戦、斬り込み白兵戦を演じながら、忍びよる飢餓地獄の中でトカゲと昆虫を食べる。最前線の極限状況に置かれた若き中尉が凄惨な戦いの日々を赤裸々に描き、人間本能と生命の尊厳を現代に問う感動作。
N-398
軍人であり、そして憲兵でありながらも「敵国」の中国民衆の厚い信任を得て、確実情報を入手し、卓越したその能力は日本軍内部からも二重スパイと疑われた特高班長の仕事。侵略軍の立場をとらず中国大陸の風俗、習慣、人権を最大級に尊重した人間愛溢れる憲兵准尉の真情。「悪役」のレッテルを覆す感動の物語。
N-399
戦術の研究と新兵器の開発に明け暮れ、戦争遂行の絶対条件となる兵站・補給を軽んじた日本の戦争指導者。世界三位の船舶量を保有する大海運国でありながら三年九ヶ月の戦争間に壊滅した商船隊はどのような航跡を辿ったのか。大戦争の裏方となった戦時輸送船の戦いを日英のロジスティックスの懸隔に見る話題作。
N-400
明治十五年の創設から、太平洋戦争末期昭和二十年の廃校まで六十四年、卒業生わずかに三千四百八十五名。陸軍兵学の象牙の塔から輩出されたエリートたちが織りなす権力闘争の歴史と、暗闘の中に光彩を放った豪快な男たちの人間物語。『天保銭組』と呼ばれた陸軍先頭集団の栄光と挫折を昭和史に点描する話題作。