N-1
紺碧の空に生き、紺碧の空に死することを、みずからの天命と思い定めて“不惜身命”のつばさの血戦場に出撃すること二百余回、敵機大小六十四機を撃墜してみごとにおのれ自身に勝ち抜いた日本のエース・坂井が書き綴った痛烈、豪快、勇壮なる零戦空戦記録の決定版。零戦と空戦に青春を賭けた強者の迫真の記録。
N-2
鴛淵孝。享年二十五歳──日本海軍最強の戦闘機隊チーム二五一空、三四三空に属し、零戦、紫電改を操り、ソロモン、本土上空に、敵を迎え撃って奮戦、撃墜王たり。壮烈、果敢、質実、至純にして穢れを知らず逝く。本書は、江田島でかつて同期(六八期)の桜たりし直木賞作家が万斛の思いをこめて描く代表作。
N-3
フィリピン沖三百マイルの太平洋上で、敵潜水艦の魚雷攻撃を受けて乗艦沈没の憂き目にあった軍艦名取短艇隊百九十五名の生還の記録。食糧も、真水もなく、航海用具も持たず、十五日間も橈を漕ぎ続け、二十七歳の先任将校の決断、次席将校の補佐、隊員の団結で、死の運命を切りひらいた海の男たちの感動の物語。 →新装解説版(N-1343)アリ
N-4
絶体絶命の窮地におちいるも、なおかつ屈せず、果敢に列機をリードして紺碧の空戦場裡を飛ぶこと二〇〇〇時間、ただの一度も列機を死なせず、みずからの愛機を損じたこともない“栄光の記録”を樹ち立てた第二次大戦撃墜王“サブロー・サカイ”が、全世界のファンに贈る大いなる感動を呼ぶ熱血の零戦空戦記録。
N-5
いく度か圧潰を覚悟しつつも、そのつどに奇蹟の浮上をとげ、死なざること不死鳥のごとく破竹の快進撃をつづけ、苦境の中にあっても冷静沈着、ユーモアたっぷりに敵をあざむき、ゆうゆう活路を開いて脱出する青年士官──戦場においては果敢に作戦任務を遂行、ついに不沈の潜水艦長となった海の王者“キャプテンイタクラ”が描いた海底戦記の決定版。
N-6
複雑微妙にして多岐にわたる戦場という異状の世界の中で、人間らしい生き方を貫き通した名も知れぬ勇気ある軍人を描きつつ、想像を絶するさまざまな物語を織りなして生きてゆく兵隊の姿を、あるがままに生き生きと捉えて深い感動を呼び起こす。直木賞、吉川英治文学賞などに輝く戦争文学の一人者が描く代表作。
N-7
カッコイイ水兵服、威厳のある下士官、シビレルような短剣──どれをとっても若者の血を燃やすには充分。カッコよさも魅力で帝国海軍にはいった兵と下士官が展開する感動のものがたり。ユニークな海軍用語や海軍生活のすべてをコミカルなイラストとともに、ユーモアたっぷりに伝える。
N-8
老兵は黙々と消え去るのみとは、かのマッカーサー元帥の名句だが、いまや歴史の彼方に風化しようとしている。その昔の兵隊世界と、そこに哀歓したつわものの生活を知る老兵がほとんど消え去ろうとするとき、それを後代に伝えるのは、僕のような老兵の勤めでもあろうかと思い、遥かなる昔に懐かしい思いをこめて書き綴ったのが本書である。〈まえがき〉より
N-9
最前線において危難に際会しながらも持てる最大の能力を一瞬に発揮して、勝利と栄光をかちえた“海の男たち”を描いた人間物語。戦史の空白を埋め、また覆して、歴史の一ページに新たな波紋を起こす衝撃のノンフィクション。幾たびも死地から抜け出し、生き残るべくして生き残った34人の艦長たちの肉声を伝える太平洋戦争の貴重な証言。
N-10
独創的、合理的な戦法をもって戦場に臨み、沈着にして豪胆、たくみに兵を指揮して勝利をもたらした日本陸軍きっての戦術家の生涯を描く感動の明治人物伝。簡単明瞭を尊び、権勢、名利を望まず、人道主義に徹して、豪快に生きた一軍人の真実。陸の兄と、海の弟・秋山真之が心を合わせて戦い、日本を救った物語。
N-11
「戦争を離れて、私の人生は存在しない」──一兵士としてフィリピンの最前線に赴き、苛烈な戦争を体験した著者は、戦後の平和が何年つづこうとも、最後の戦場生活は、決して薄れることのない刻印を私の体に刻みつけている、と述べ、さらに、それが薄れることを望む気持は、今もない、と断言する。本書は青春を戦争の中に生きねばならなかった兵士が書き綴った孤高の戦争文学。直木賞受賞作。
N-12
動物文学の第一人者であるとともに、幾多の珠玉の戦争文学を発表してきた直木賞作家が、綿密、周到な取材と、豊富な資料とを駆使して、世界第一級人物の愛と真実に挑み、その人間像をみごとに描き切った会心のライフワーク。動乱戦火の昭和史を背景に展開される、壮絶華麗にして大いなる感動を呼ぶ海軍人物伝。
N-13
海軍省詰めの新聞記者として、海軍報道班員として、提督、士官の風貌に接し、戦火の最前線に身を置いた戦記文学の第一人者が描いた人間山本五十六の悲劇。米内光政、井上成美らと共に三国同盟に反対し、対英米戦に抗して平和と国家の安泰を願いながら、戦争の指揮官として戦い、劇的な最後を遂げた提督の生涯。
N-14
砲煙弾雨の中で統帥の妙を遺憾なく発揮するためには、総指揮官はどうあるべきなのか──大いなる命題をかかげて創設された。かつての日の海軍大学教育とはどのようなものであったのか。往時ここに学んだ“海軍の頭脳”の一人が、限りなき自省と、愛着をこめて書き綴った超エリートの最高学府・海軍大学校物語。
N-15
ラハウルから本土上空まで死闘を重ねて幾千キロ、幾度か危難に遭遇しながら、つねに奇跡の生還をはたした“運の強い男”が、みずからの青春と、戦い傷つき蒼空に散った若鷲たちの戦歴をたどる。“トッカン兵曹”と親しまれた若きエースが、ひたすら技を磨き、努力をつづけ、撃墜記録を更新していく苛烈なる日々。
N-16
「戦艦大和が比類なき大鑑であったように、伊藤正徳は比類なき大海軍記者であった」(小泉信三)──自ら期するところあって晩年八年間の歳月を費やし、残り火のすべてを、爆発的に燃焼させて執筆した五巻九冊に及ぶ白眉の〝伊藤戦史〟の冠頭をかざる感動の代表作。後世に語りつがれるべき太平洋海戦史の決定版。(解説・村松剛)
N-17
撃墜王は畳の上で死ねない―この悲劇のジンクスを、かなしくも実証するかのように、非業の死を遂げた第二次大戦の撃墜王が、紅顔、純情にしてけがれを知らぬ“隼戦闘隊のサムライ”たちの幾多の青春群像を描く。『人生是勝負』──勝つか負けるか、生きるか死ぬか、真剣勝負に勝利をおさめたエースの空戦記。
N-18
生か死か、降伏か抗命か──。一身一国の関頭に立ち徹底抗戦を呼号、出世主義、権力主義を排して祖国に殉じた熱血の猛将・小園安名。ラバウルの空に勇名を馳せた栄光の人が最後の熱情を傾け、身命を諸して挑戦した不条理への戦い。非情の運命の転換の渦中を、果敢に生きた空の男の生涯を描く感動を呼ぶ戦記文学。
N-19
決戦ガダルカナル島で、戦いに破れ、弾丸もなく、食糧もなく、骨と皮に痩せ衰えた五ヶ月有余。そしてまた、遠い道インパールの激戦に敗れ、どしゃ降る雨期の印緬国境に、るいるいと横たわる日本兵の“白骨街道”──生ける屍が、かすかな声で哀願した。「私を殺してください。お願いします」と。
N-20
吹き荒れる軍国主義と、日米開戦の激流にさからい、身命を賭して、ただひとり平和への小舟を漕ぎつづけた海軍大将・米内光政──。連合艦隊司令長官、海相、首相と、暗黒への坂道を転落する日本を支えて立ちあがった悲劇の提督の秘められた愛と真実を描く。米内光政秘書官が第一級提督の遣訓を伝える感動の名著。
N-21
日本海軍が技術を結集し、膨大な建造費をついやしながら、その巨体と強力なる武器を有効につかう機会をもたず、海底に消えた“遅れてきたヒーロー”戦艦「大和」──世界最大最強の巨艦の五番高角砲員として、マリアナ沖、レイテ沖海戦、最後の沖縄特攻出撃に赴いた苛酷なる原体験を書き綴った迫真の海戦記。
N-22
軍隊の最下層に身をおいた名もなき兵隊たちは、何を思い、願い、そしていかに戦い、死んでいったのか。全五十七篇で構築された、悲しき兵隊たちの生と死を描く珠玉の最高傑作ドキュメンタリー。戦う兵士の人間的真実を、公平な視座で捉えることを信条にしてきた直木賞作家が戦場と兵隊をヴィヴィッドに伝える。
N-23
戦いは人なり──海軍トップ集団の人材たちは、適材適所に配置され、またその職責を十二分に果たしえたのか。作戦の帰趨を決するリーダーの性格、能力、識量、勇気はどうだったのか。山本五十六ら十五人の“海軍の頭脳”たちを俎上にのせ、縦横無尽、単刀直入にその功罪を明らかにした現代人に贈る異色人物伝。
N-24
逆境のなかで己れの精神力、知力、体力を、その極限まで鍛えに鍛え、努力を傾けて修練、研鑚を積み重ね、大空の真剣勝負に勝ちを制した世界のエース“サブロー・サカイ”が語る感動の空戦談義。指揮官の五力(実力、演出力、指導力、魅力、決断力)や勝負の要諦、成功の秘訣を、自らの体験からつぶさに伝える。
N-25
「一盲、衆盲ヲ引ク」の辞がある。帝国陸軍なる「一盲」を抑えんとして戦争への道を引きずられ、国民を「衆盲」となして滅亡の淵に落とし、戦犯の指名に毒を仰ぐ運命の人──。細川護煕首相の母方の祖父の生涯。公家筆頭の家柄に生をうけ、軍国狂乱の時代に三たび首相となり苦悩と失意のうちに死する宰相の悲劇。
N-26
陸軍幼年学校、士官学校をへて近衛第六聯隊の聯隊旗手となり、戦後いちはやく『小説・聯隊旗手』を発表し、華やかな脚光を浴びたジャーナリズムの“鬼才”が活写した明治、大正、昭和三代の軍人青春群像。大伯父・陸軍大将武藤信義の血脈の人が、冴えわたるペンさばきも軽やかに書き綴った感動のロングセラー。
N-27
運命とは、命を運ぶ、と書く。その単純な哲理を信ずることに徹し、激戦のさ中に艦と人とをあずかり、不撓不屈、豪胆なること山の如く、猛けきこと火の如くみずから幸運を招きよせる日本海軍随一の“豪傑艦長”の指揮下に団結し、努力し、苦難に堪え抜いて勝ちつづけた栄光の不沈艦の生涯を描く感動の戦記文学。
N-28
芸大で声楽を修得し、二十歳で歌謡界にデビュー、六十余年にわたって第一線で活躍しつづけた大御所が、自らの来し方を動乱の時代を背景に赤裸々に吐露し、病み疲れた現代人に勇気と感動を伝える人生応援歌。異国の捕虜収容所で日本兵も英兵も、現地の住民をも共感と絶賛の嵐に巻き込んだ気骨、熱血の男の物語。
N-29
機略縦横、勇猛果敢、奇襲戦法を得意とした風雲児──狐のように狡知で、また狼のように獰猛な独断専行型の恐るべきマキャベリスト。一作戦参謀の身でありながら、なぜ彼は重要作戦に重用されて絶大な権力をふるうことができたのか。日本の死命を制したいくたの作戦計画を立案し、作戦指導を行なった男の生涯。 →新装解説版(N-1311)アリ
N-30
現代世界の勢力バランスの原型をかたちづくった第二次世界大戦。参戦国五十五ヵ国、戦死者四千万、うち一般市民二千五百万。七年間にわたって戦いぬかれた未曽有の殺戮戦の真相と全貌を、第一級のジャーナリストが内外の膨大な資料を分析し、総合的な視野から公正な展望と冷静な考察を加えた衝撃と戦慄の歴史。
N-31
海軍軍人である前に、人間としてどう生き、どのようにあらねばならないのか。「人格陶冶」「体力練成」「自啓自発の学術修得」を教育理念に、有為の人材を輩出し、現代日本の中核を成す第一級の人物をはぐくんだ江田島・海軍兵学校の全人格触れ合い教育の方法を解明、未来の日本を背負う若き人びとに贈る一冊。
N-32
民族の存亡を賭けた太平洋戦争とはなんだったのか? なぜ日本は敗れたのか? 連合軍の反攻の足掛かり、ガダルカナル島攻防戦を主軸に、敵と戦うまえに自分たちの観念と戦わなければならなかった日本軍の風土と、その中で死んでいった語ることなき兵士たちの声を、膨大なる証言を得てみごとに構築した不朽の労作。講談社ノンフィクション賞受賞作。
N-33
日独伊三国同盟の下、ヒトラーの恫喝と圧力をはねのけて、数万人のユダヤ難民を、飢餓と凍死から救い出し、みずからは遂に悲劇の孤島アッツ、キスカ方面軍司令官となり、「太平洋戦争最大の奇蹟」を演出した陸軍異色のヒューマン将軍・樋口季一郎──ヒューマニズムに殉じたひとりのサムライの波瀾の生涯を活写。
N-34
耳に還って来ます、ラッパの音色が……。シンペイサンは、ツライヨネー。万年ヒラ兵隊の哀歓を、コミカルなイラストとともに語りつぐ奇想天外、もうひとつの陸軍よもやま物語。古参兵に追いまくられ、怒鳴られて右往左往、涙の中には母の顔……。オオカミどもにコキ使われる悲しきヒツジたちが奏でるラプソディ。
N-35
軍国戦乱の昭和を背景に、日本陸軍暗号の黎明期から最後の日まで、欧州の戦場をも描きつつ、暗号の作成・解読に命を賭けた苦闘の歩みを追う。独自の世界を築きあげ、いま注目を浴びている気鋭の作家が多くの証言を得て活写する“文字を盗んだ男たち”の戦争。サスペンスとスリルに満ちた異色ドキュメンタリー。
N-36
思わず微苦笑、帝国海軍の神秘・素っ裸の人間世界。海中の奥ふかくで繰りひろげられる底抜けのユーモアとペーソス。艦も人も型破り、一蓮托生の身であれば地位もなく、年齢もなく、艦長も水兵もただの人。確実機敏を鉄則に、気どらず気ばらず相和して、乗員はみな明るい一家族。感動のドンガメ生活アラカルト。
N-37
「松永市郎さんの『水交』に発表される随筆を、年来、私は愛読していました。それは、余計な理屈や説明抜きで経験した事実だけを素直に書いてあるのが面白かったからです。ともかくこれは、まことに味わい深い海軍随筆です。──海軍に関心の無い読者でも、読めばきっと笑い出したり涙ぐんだりするでしょう」序・阿川弘之
N-38
「敗戦国日本の将軍、提督の妻たちは、その立場上、たとえ夫が戦死しても刑死しても、恨みごと 一つもらさず、その悲しみを面に表わすことすらしなかった。それが軍人の妻に課せられた宿命だったからだ。彼女たちが語る在りし日の夫の映像は、これまでのどの書物にくらべてもユニークで、真実の姿に触れている」推薦の辞・平岩弓枝
N-39
「海の戦いと、それを戦った男たちの輝かしい一連のスナップ・ショット。この本のとくに価値のあるところは、彼我両サイドの下す決断が、遭遇戦というものの最終的な結末にどんな影響をあたえていくかを、目前に見るがごとくに明示している点にある」──トム・クランシー絶賛、感動を呼ぶ迫真の海戦ドキュメント。
N-40
零戦の初陣に参加して三十機中二十七機撃墜の大戦果をあげ、全機ぶじ帰還した栄光の日から、その最後の日まで、出撃二百五十余回、飛行時間五千時間、常に零戦と共に戦い、タイガー・パイロット精神に徹して不惜身命の空中戦を演じた自らの血塗られた体験と、幾多のエースたちの奮戦と哀歓を描く感動の空戦記。
N-41
あの戦友も、この戦友も、極寒と飢餓の中に死んだ。だが、おれたちは生きる。ソ連軍囚人ラーゲリから果敢に脱出する三人の日本兵がたどった波瀾万丈の実録生還記。強制労働収容所で辛酸をなめ尽くし、屈辱に耐えながら、故国に残した父母を想い懐かしの山河に抱かれるまではと、懸命に生き抜いた男たちを描く。
N-42
「ラモウ、ミートキーナ、フーコン、騰越の各戦場において、日本軍が発揮した勇戦敢闘ぶりをみよ。彼らの行為は、戦史に特筆されるべき偉大なものである。全軍、日本軍を範とせよ」──蒋総統の“逆感状”に輝く日本陸軍最精鋭の兄弟師団「菊」と「龍」の死闘を、みごとに活写する。感動を呼ぶ異色の戦記文学。
N-43
太平洋戦争の集約された戦場・地獄の島ガダルカナル──。官僚化し、形骸化した機構と、硬直化し型式化した指導者層、そのセクショナリズムとエゴイズムの修羅の中で、帝国軍隊の尖兵となって果敢に戦い、遂に飢餓と瘴癘に朽ち果てた名もなき日本兵の痛憤を初めて照射するをえた記念碑的作品。執念の4000枚。
N-44
蛮勇をふるわず、部下列機の安全をはかりつつ、いかにして最大の戦果を挙げ得るか──燃える心を内に秘めて苛酷非情の大空の激闘に若き命を賭けたサムライパイロットのヒューマンドキュメント。日華事変から太平洋戦争まで、名機零戦とともに戦い抜いた自らの半生と大空に散った幾多の青春群像を悼む空戦記録。
N-45
誇り高きひとにとって辛く無残なるは、己れの真情を、己れの過去の秘めごととともに他に吐露することであるという。海軍中尉豊田穣は、過ぐる大戦において乗機被弾、不時着、漂流の果てに虜囚となり、失意と絶望の渕を流浪しつつ作家豊田穣と変身するに際し、その長い苦渋の海を渡った──。本書はその魂の絶唱。
N-46
日本海軍が世界にほこる最高峰の飛行艇「二式大艇」──大戦末期、戦勢挽回の切り札として輿望を担った名戦闘機「紫電改」を生むにいたる“川西航空機”の若き技術者たちが、頭脳と熱意と努力を傾注して挑戦する不屈の開発物語。戦火の空に展開された搭乗員たちの死闘とともに活写する感動のノンフィクション。
N-47
キャタピラの轟音も高く、クリークを越え、椰子林を踏みにじって“鉄の王者”の行くところ敵なし──第二次大戦中に世界のすみずみまで島田戦車隊の勇名を轟かせた“鬼戦車隊長”が、自らの半生をドラマチックな筆致で描破する。果敢な闘志をもっていくたの難局にあたり、不可能を可能に変えた男の戦車隊戦記。
N-48
紺碧の空に生き死することを自らの天命と思い定めて、壮烈な大空の決戦に出撃すること二百余回、いくたびか死線を越えて、つねに努力し、鍛練し、研究を重ねて不死鳥のごとく生還を期するエース坂井が、人生において何事かを成し遂げようとする選ばれたる現代の人々に語りつぐ空戦談義。大空のサムライの哲学。
N-49
好戦主義、面子主義の思潮の中で太平洋戦争に突入し、アメリカ軍の合理主義、戦争終末思想に対応できず、無尽蔵の人的損耗を楯に戦った日本軍の思考性を抉り、ガダルカナル戦で顕在化した日米両軍の体質を鮮明にすると同時に、ガ島攻防戦の全貌を、白日下に描出して現代の病める部分に訴えるノンフィクション。
N-50
撃墜機数二〇二機、うちラバウル上空の戦果一四二機──初陣の中国大陸から、真珠湾、ソロモン、比島、本土と、常に最前線の空戦場裡で死闘を繰りひろげ、みごとに勝ち抜いてきた空の勇者が書き遺した感動の空戦記録。日本海軍航空隊のトップ・エースとして活躍した第二次大戦撃墜王が描く勝利と鎮魂の青春譜。 →新装解説版(N-1299)アリ
N-51
死者は常に尊く美しく、生き永らえた者たちは常に彼らへの回想をわすれない。作家豊田穣は、かつて二十三歳のみぎりソロモン海上空で乗機被弾、漂流の後、苦渋の時をへて生還。戦後、作家となり直木賞を受賞。それから十余年、全国を行脚して同期の若桜たちを描き、不惑の時代を生きて逝く。本書は感動の紙碑。
N-52
殺戮と不条理の荒涼たる戦場に生と死を賭して戦う兵隊たちの、極限状況の下に置かれたがゆえに生起する様々な“光と影”を照射して、複雑微妙なる戦場心理を鮮やかに描き出した感動の戦争文学。自らも一兵卒として戦野にあった八年の歳月を礎に描く、迫真、第一級の戦記。秋霜烈日『生きている戦場』を併載。
N-53
日米海軍が総力をあげて戦った空母決戦の先鋒となり、一降下必中のダイブにかけた空の猛者──初陣の一弾を真珠湾の戦艦に叩きつけた急降下爆撃機パイロットが、瞬刻に形勢を転じる最前線の実像を描くノンフィクション。極寒のアリューシャンから炎熱のソロモンへ、非情の空に生きた艦爆搭乗員の感動の空戦記。 →新装解説版(N-1340)アリ
N-54
青春時代に幕末の日本を見つめ、海軍を志して、精強なる海軍を造るため、一意専心に生きた偉大なる男。藩閥主義打破、実力主義、適材適所を唱えて人員を整理し、有為の人材を登用する計画を推進して諸制度を改革し、毀誉褒貶を顧みず、わずか十数年で、ロシア海軍に勝つ近代海軍を育て上げた“海の男”のロマン。
N-55
情け無用の「赤紙一枚」で職場から、家庭から、日本の壮年男子たちは、軍隊へ、戦場へ、駆り立てられた。兵役拒否など思いも及ばなかった時代──その厳しい状況の中に翻弄された応召兵の生きざまを、飾らず、気張らず、在るがままに綴る感動のノンフィクション。戦後世代に贈る庶民の目で見た帝国陸軍物語。
N-56
ガダルカナル島争奪をめぐるソロモンの碧空の下、米軍から“ライター”と呼ばれた一式陸攻を駆って、弾丸雨飛の只中に身を投じた海軍中攻隊の苛烈な日々。夜間ガ島爆撃、豪州偵察、そして敵空母への超低空雷撃──まさに“炎の翼”となるも、乗員一丸となって任務遂行にかけた爆撃機魂を描いた感動の空戦記録。
N-57
人間の運命とは、歴史の錯誤とは何か。今もなお霧の中に置きざりにされた昭和史の謎を白日下にさらし、「もののふ」がゆえに非情の世界の中で笑って散った永田鉄山・栗林忠道・牛島満・阿南惟幾・山下奉文・本間雅晴・本圧繁・石原莞爾・小畑敏四郎・根本博──十人の武人の悲劇と真実をつたえる感動の人物昭和史。
N-58
赤道直下のスラバヤからラバウルまで、つねに零戦と共に戦い、幾多の大空の死闘と、若きエースたちの奮戦を目撃し、カメラにとらえてきたひとりの“猛烈なるニュースカメラマン”が、万感胸に秘めて綴る零戦撃墜王物語──激烈非情、スリルとサスペンスに満ちた空戦模様を描いて感動を伝える異色の零戦隊秘話。
N-59
情報社会の中で、いかに情報を収集し、他に先んじるか──レーニンをして「日本の明石大佐には感謝状を出したいほどだ」といわせた“諜報戦の鬼”の生涯を描く異色の人物伝。豪胆にして細心、優れた語学力と豊富な知識、臨機応変の才を発揮して日露戦争を勝利へみちびき、「ロシア革命」に寄与した男のロマン。
N-60
七年の長き日々を戦野においた兵隊作家の第一人者が、軍隊の底辺に生きた下級将校、下士官、兵隊のありのままの姿を円熟の筆にのせて鮮やかに描き切った感銘を刻むドキュメンタリー七百枚。苦難の道をあゆみつつも人間の心を失わない人々に、慈愛に満ちたまなざしをおくる詩情あふれる“悲しき戦記”二十三編。
N-61
藍より深く、さらに深く、若き男たちの魂を魅了して止まぬ紺青の千尋の海に、熱き血潮をそそいだ海のサムライたち。その志なかばに非業の死を迎えるも、みずから悔いることなく、つねに従容として運命の関頭を行き交いし〈もののふ〉の生き様を、“不死身の潜水艦長”が万斛の想いをこめて描いた海軍人間物語。
N-62
砲煙弾雨の果てに、彼我艦船によって、海底を文字通り鉄と化したガダルカナル北方の戦場・鉄底海峡。米軍反攻と共に生起した第一次ソロモン海戦で連合軍を打ち破り、勝利の立役者となった殊勲の重巡「加古」に襲いかかった悲劇の雷跡──刻々と様相を転じる戦いの実像を、元艦長が克明にとらえた感動の海戦記。
N-63
ビルマ戦線の敗走の真っ只中で、士官学校出たての工兵小尉が機知と機略を縦横にめぐらして、旅は道づれ世は情け、弱きを助け強きを挫き、下士官・兵と共に生きる飢餓街道五十三次。戦陣訓も投げ捨てた風流士官が押し寄せる敵と自然の脅威も乗り越えた、帰還までの茨の道のりを綴った異色のイラスト・エッセイ。
N-64
華やかな戦闘機乗りに憧れることなく、一心に雷撃機乗りを志し、ついに“戦闘機の坂井”と並び称される雷撃隊のエースとなった空の男──真珠湾に第一弾を投じて以来、雷撃に爆撃にと百数十回の出撃を重ね、ガダルカナル島上空の空中戦で右手を失いながらもなおかつ飛びつづけた剛直なる強者が綴った空戦記録。
N-65
シンガポール攻略戦の神速果敢な采配で世界の耳目を集め、陸軍の宝と謳われた参謀・辻政信──。敗戦とともに占領軍の執拗な探索の手を逃れて、バンコクから中国、そして日本に雌伏すること五年。にわか僧侶に化けた元高級参謀と彼を陰で支えた七人の若者たちのスリリングな潜行の歳月を描いた感動のドキュメント。
N-66
内蔵された高炸薬もろとも突入、敵艦を屠る人間魚雷「回天」──鋼鉄の棺の中に己れの青春を封じ込め、生還ゼロパーセントの攻撃に三たび出撃、空しく帰投した不屈の男が、祖国の栄光をひたすらに信じて不条理の渦中に身を投じた僚友たちの知られざる奮戦と苦悩の日々を赤裸々に描いた感動のノンフィクション。
N-67
重大な岐路にたって逃げず、迷わず、なしうる限りの努力を傾け、いかに職責を果たすかに己れを燃焼させた勇者たちの物語。あるものは艦とともに、あるものは飛行機もろとも、あるものは海底深く鉄の棺の中で命を終えた。一提督から軍属まで、自ら先頭にたって危難に立ち向かった海の男を描くノンフィクション。
N-68
腹が減ってはいくさはできない。星の数より、めしの数……。新兵、古兵の区別なく、食欲も性欲も旺盛な兵と下士官のものがたり。男の料理・軍隊調理法など軍隊の食生活をあますところなく描いた体験的/帝国陸軍イラスト・エッセイ。兵隊屋敷の四季折々にふれて、分隊長殿が綴った汲めどもつきない兵隊ばなし。
N-69
名将の資質とはなにか──功名を排し、己れの本分に徹して人心掌握につとめ、寡少の兵力に甘んじつつも、百戦不敗の名を轟かせた名指揮官の生涯を綴る陸軍人物伝。万骨枯るインパールで、英軍司令官をして賞賛の辞をおしまない戦闘を展開した日本陸軍きっての戦略・戦術家の生きざまを活写する感動の戦記文学。 →新装解説版(N-1331)あり
N-70
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈1〉。昭和十六年十二月八日午前七時四十九分「全軍突撃セヨ」の電信と共にはじまる真珠湾攻撃で太平洋戦争の火蓋は切られた。単冠湾に集結した南雲機動部隊の東進からマレー沖海戦、比島攻略にいたる優勢の緒戦期を、三百枚の写真と図版で構成する決定版フォト・ライブラリー。
N-71
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈2〉。史上最強の機動部隊を擁する日本海軍は破竹の進撃を続け、インド洋へ、そしてソロモンの要衝、ラバウルを占領した。大戦初の大規模な水上艦艇の戦いとなるスラバヤ沖海戦、空母機と潜水艦の活躍など、赤道直下の南方要地を支配下においた第一段作戦までを秘録写真で見る。
N-72
いまもなお人々の心に“不死鳥”のごとく飛びつづける名機零戦。設計主任の堀越二郎から零戦撃墜王坂井三郎まで、総勢百二十五人の零戦関係者が不世出の傑作機への熱き思いを綴った異色のイラストエッセイ。戦争の時代を超えて半世紀、風化することなき日本人の歴史の記念碑──「零戦の素顔」に触れる名機物語。
N-73
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈3〉。早期決戦にかけた日本海軍は敵空母撃滅と島嶼占領の両様作戦を実施、日米機動部隊は、ミッドウェーで雌雄を決する。帝都を駆けぬけたドーリットル空襲、史上初の空母同士の戦いが展開された珊瑚海、そして太平洋戦争の転換点となったミッドウェー海戦の決定的瞬間を見る。
N-74
山本五十六GF長官の発意で計画され、軍令部の猛反対を押し切って実施された海戦──日米戦争の天王山となった戦いの表と裏に登場した上は草鹿龍之介GF参謀長から下は無名の一水兵まで、MI作戦生存者を可能なかぎり訪ね歩いて、その全容を明らかにした野心作。講談社ノンフィクション賞受賞作家の感動作。
N-75
不沈の潜水艦長として謳われた海の王者──赤貧洗うがごとき家庭に生まれ、画家になるのを夢見た少年時代、躍動する連合艦隊の黒鉄の美しさに魅せられて海兵にはいり、“どん亀”とさげすまれていた潜水艦乗りをめざし、己れの信ずるところにしたがって生きた指揮官の青春の奔流を綴る感動のノンフィクション。
N-76
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈4〉。ガダルカナル島上陸に端を発した米軍の本格的反攻作戦と、要地奪回にかける日本軍との間にくりひろげられたソロモンの空と海の戦い。完全勝利と謳われた三川艦隊の夜襲、ガ島飛行場砲撃、そして氷雪の海を朱に染めた北方アリューシャンの激闘を写真で再現した決定版戦史。
N-77
蒼い空に浮く白い雲をみずからの墓標と決め、爽やかな笑みを残して逝った彼らは、現代に何を語ろうとしているのか。三四三空の若き戦闘機隊長菅野直の苛烈なる一生を軸に、大空に青春を賭けた七人の男たちが、それぞれにたどった生涯を、みずからも若き命を蒼空に燃やした元艦爆乗りの直木賞作家が描く感動作。
N-78
その数二十万、陸軍は慰安婦、海軍では特要員と呼ばれ、その存在も、生死さえも闇の中に閉ざされた“軍機の女たち”──南方の地でからゆきの墓群を眺めて以来、つねに悲しき女の足跡を追いつづけてきた著者が現地取材を重ねた執念の紙碑。愛しき人のためにあらねばならない女の性と人権を捉えた異色の話題作。
N-79
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈5〉。開戦後、初の戦艦同士の乱撃戦、第三次ソロモン海戦、米空母ホーネットを屠った南太平洋海戦などソロモン諸島周辺に展開された海と空の死闘。ガダルカナル島からの撤収、「い号作戦」の視察に訪れた山本長官の戦死──日本軍の趨勢を予期させた衝撃の瞬間を写真で捉える。
N-80
“赤い男爵”と謳われ、伝説的なエピソードにあふれた第一次大戦の空の騎士・リヒトホーヘンから、太平洋戦争の日本海軍撃墜王坂井三郎まで、戦闘機乗りの神髄を極めた二十人のエースたち。一次二次大戦の各戦線で大空を制した空の剣豪たちの技術と思考を軸に、そのロマンに満ちた人生模様を綴る感動の空戦記。
N-81
波瀾激動の時代を雄々しくリードしながら、朝敵として斃れた隆盛。維新早々に欧米を視察して、外国の文明や制度に触れ、兄の知らない新しい世界を見てきた従道──偉大な英雄を兄としたがゆえの悲しき宿命を背負いつつ、時代の潮流を見すえて、新生日本の舵取り役となった大人物の内面を照射した感動の人物伝。
N-82
日米の激突を辿るドキュメント昭和史6。ソロモンの航空消耗戦で疲弊した日本軍を圧倒し、ラバウルを孤立させ、その矛先を中部太平洋トラックに向けた米軍。ガダルカナル島撤退後のソロモン諸海戦と落日のときを迎えた“栄光のラバウル航空隊”──制空・制海権なき島嶼戦の死闘を秘蔵写真で見る実録・日米戦争。
N-83
軍隊と戦争という冷厳な舞台の中に投じられ、南溟のソロモンから氷雪のアリューシャンまで最前線の波濤を越えること数万キロ、厳しい自然と苛烈な戦闘の中にあって自らを凝視し、死の圧迫と生への希求のはざまで懊悩しつづけた“学徒兵”が、戦争の中の青春を、清冽なる感動とともに伝える異色の太平洋海戦記。
N-84
昭和十九年十月二十五日、神風特攻隊敷島隊隊長関行男はマバラカット基地を発進し、還らない人となった。だが、この四日前に神風特攻隊大和隊隊長久納好孚中尉はセブ基地から出撃していた。なぜ特攻第一号は関大尉となったのか。気鋭のライターが五年の取材、調査をへて、“特攻神話”に挑んだノンフィクション。
N-85
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈7〉。絶対国防圏の要衝サイパンをめぐる日米機動部隊の死闘と、連合艦隊が一縷の望みをかけた主力水上艦艇のレイテ湾への突入作戦、そして未曾有の神風特別攻撃隊の出撃──史上最大の規模で戦われた二大海空戦の全容を多角的、視覚的に再構築して贈る迫真の極秘フィルム図鑑。
N-86
航空自立に自らの才能と情熱を燃やし、性能向上にすべてを賭けた若き設計技師堀越二郎──不世出の名機・零式艦上戦闘機を生み出し、世界最高水準に到ったエンジニアが、その工夫と努力の道程と知られざる大戦中の変遷を描く感動作。数多くの証言と海外の文献をも網羅して日本の宿命の戦闘機の真実をとらえる。
N-87
月刊雑誌「丸」が20数年にわたって連載した長編戦記3万枚から厳選した迫真の歴史の証言──一市民として父や兄が、血と涙と怒りと悲しみとに満ちあふれた苛烈なる戦場に生きた証し、心の叫びを吐露する衝撃の手記。大海軍の象徴たる戦艦と海戦の新たな主役空母の乗組員の原体験を語り伝える貴重な昭和の遺産。
N-88
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈8〉。日本海軍最後の機動部隊となった小沢囮艦隊の奮戦と米軍を戦慄させた神風特攻の猛攻──連合艦隊が総力をかけた比島沖攻防戦の終幕。そして大艦巨砲の表徴戦艦「大和」の死闘、戦死傷者が日本軍を上回った硫黄島、沖縄の戦いを選び抜かれた写真と図版で再現した秘録戦史。
N-89
「大和憮子よ常夏の国に咲け」「若き愛国女性募集」の標語の下に駆り出され、娘としての誇りをふみにじられた従軍慰安婦たち。歴史の裏で演じられた知られざる悲劇の実態を探り、戦場と兵隊の間で呻吟した乙女らの戦争を描く。国のためという“性の暴力”に翻弄された悲しき女たちの足跡を辿る鎮魂の一冊。
N-90
月刊雑誌「丸」が二十数年にわたって連載した長編戦記三万枚から厳選した迫真の歴史の証言──食うか食われるか、究極の空戦場裡に自らの全精力を傾注して、敵パイロットたちを震撼させた“無敵の零戦野郎たち”の記録。ゼロファイターの神話に隠された搭乗員の苦悩の日々と零戦の真実を伝える貴重な昭和の遺産。
N-91
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈9〉。比島、そして沖縄をめぐる日米最後の戦いに空前絶後の“主力兵器”と化した神風特攻──その初陣から終戦の日までの全容。恐るべき高性能で日本の空を圧倒し主要各都市を灰燼と化した戦略爆撃機・B29。戦慄すべき無差別爆撃の実体と日本軍の迎撃戦を促えた衝撃の秘蔵写真。
N-92
日米の激突を辿るドキュメント昭和史〈10〉。開戦劈頭のハワイ作戦への布陣から終戦によって途絶された海底空母のウルシー攻撃まで、日本潜水艦の苦闘の全記録。五年にわたった日米攻防戦の果てに傷つき生きながらえた日本海軍艦艇の知られざる全容──海没、復員輸送などにその任を全うした残存艦を秘録写真で見る。
N-93
“真珠湾奇襲”は、だれが、いつか、どこで計画し、またその極秘計画書を、米側は、いつ、どこで、いかなる方法で入手し、それを黒い謀略の手段と変貌させたのか。奇々怪々のプロセスをへて、二十世紀最大の山場をつくり上げた衝動的な大事件を、日米の夥しい登場人物たちの言動から視覚的に捉え、現代人の眼前に、けんらんと提示された歴史ドキュメント。これは単なる歴史の断片ではなく、立体的に構成された興味深いノンフィクション・ストーリィであり、歴史の裏側の秘められた物語。
N-94
命令一下、基地出で発つは胸に銃後のはらからの……。十字砲火に傷つきてなお屈せず、からくも生還をとげた元先任搭乗員が、青春のすべてを急降下に託して、ソロモンの航空消耗戦に殉じた若き列機たちの苦悩の素顔と、その苛酷な戦いの日々をつぶさに活写して、後世に語りつたえる、熱血、感動の空戦記録。
N-95
この戦記に最も重要なことは、当時の第二艦隊が置かれたる立場と、それを戦った将兵の心理であると思う。これらの疑問を解決することなくレイテ海戦の正確なる戦史を書くことは、点睛を欠くものである。当時の参謀長小柳中将が作戦の真相を書いた本書は、疑いなくレイテ海戦の決定版として大きく光るであろう。(序・伊藤正徳)
N-96
明治五年の創設から終戦まで、古き良き“海軍スピリット”で綴るベストセラー第2弾。栄枯盛衰は世の常というが……どのページを読んでも、どのページを見ても、下士官兵の花盛り。思わず微笑む海軍用語や生活のすべてを、愉快なイラストとともに、ユーモアたっぷりに軽妙洒脱に語りつぐ、続・ジョンベラ物語。
N-97
太平洋戦争の只中で、和平交渉の工作と東条内閣打倒に奔走した一人の海軍少将──アル中の父と借財をかかえ、かずかずの逆境にもめげず、製本屋の裁断工から単身ふるいたって海軍兵学校に進み、その独自の炯眼を国の内外に向けつつ、毒舌をもって一時代を風靡した帝国海軍の“鬼才”が書き綴った畢生の一代記。
N-98
“体当たり”戦法を生みだした悲劇の提督大西瀧治郎──その副官として仕えた著者が、苦悩に満ちた大西中将の知られざる素顔とその最後の奮闘を綴る回想記。短現教育四ヵ月で実施部隊に配属され、ハワイ作戦の空母「瑞鶴」艦内から、比島戦の特攻隊誕生の瞬間まで、苛酷な最前線の実体を冷静な眼でとらえた感動作。
N-99
近代的戦闘機として海軍の零式戦闘機とともに並び称される陸軍の名機・隼戦闘機。軽快な空戦能力と抜群の航続力を誇り、太平洋戦争の劈頭から終焉まで、熾烈な空の戦いに臨んだ“昭和の名機”の誕生エピソードから戦歴のすべてを綴る話題作。ベストセラー『最後の戦闘機紫電改』の著者が贈る傑作機・徹底研究。
N-100
“死者よ、甦れ”戦野に生き残った者の悲願であり贖罪である、失われた命への回帰──深夜の東京駅に降り立った玉砕島サイパンからの幻の一団。汗と泥と血でぼろぼろの戎衣をまとい、硝煙やんで久しい故国へ帰参した元兵隊たちの目に映じた夢幻の人情世界。兵隊小説の第一人者が描いた感動の戦記文学。他四篇。