N-601
海軍士官は、その妻を含めて愚直なまでに良く働いたと思う。突然の転勤命令にも、即座にバッグ一つ抱えて単身新任地に赴き、妻は、一人で引っ越しにともなう手続きすませ、荷物をまとめて発送して、その後を追った。夫不在の家を守り、家計を管理し子供を育てた。
N-602
「生きて虜囚の辱しめをうけず」近代化の過程において、この厳しい戒律を徹底させられていた日本軍の兵士たち。第二次大戦において、実際に敵軍に捕らえられた将兵はいかなる行動をとったのか。連合軍の管理の下で、抑留生活を余儀なくされた日本人虜囚たちの心情、管理者に対する協力と抵抗の精神を分析し、そこに見られる日本人の体質を探る。
N-603
アメリカに生をうけ、第二次大戦において不幸にも米政府に市民権を蹂躙された日系二世たち。人種差別主義下に日系人で編成され、最も苛酷な欧州戦に投入された若者たちの苦悩と勇気の記録。戦史に残る戦いを展開した第四四二部隊と一〇〇大隊の奮闘を描き、差別と偏見に挑んだ日系アメリカ人たちの魂を伝える。
N-604
船長が自分の船と運命を共にする。これは世界的に見ればむしろ例外的なことなのだ。現在でも多くの日本人にはこの例外がたびたび起きている物だと、錯覚している人が多い。沈没の危機では、その場でできる最善の努力を尽くした上で自分の命を救うことが約束事である。〈あとがきより〉
N-605
その十二年余の歴史の中で四千数百人の戦争犯罪人容疑者が拘禁され、六十人が処刑台の露と消えたスガモ・プリズン―太平洋戦争敗戦の象徴であり、その残滓ともいうべき知られざる足跡を描く。戦犯の名の下に運命を弄ばれた海軍大佐が昭和三十三年までの自らの鉄窓生活を綴り、日々の日課から労働、食事、娯楽まで、獄中生活と死刑囚たちの心情にまで迫る。
N-606
伊400潜に搭載された特殊攻撃機パイロットの戦い。予科練出身ベテラン操縦員の記録!14歳で海軍に入り、真珠湾攻撃からウルシー特攻まで、水上機を駆って最前線を走り抜けた歴戦航空兵の太平洋海空戦記。
N-607
マニラ市街戦で捕虜を人質にした日本兵六十名は交渉の末、数多くの米軍兵士が見守る中を堂々と隊列行進で味方前線にたどりついた。戦艦ティルピッツ爆撃のため真剣に動物学者が考案した珍兵器『猫爆弾』。銃座ごと落下して助かったB17乗員。バルジの戦いで三度誤爆された部隊。チャーチルが米参戦に利用した映画。勝利のためにはあらゆる手段を用いる戦争の恐るべき裏面を描いた話題作。
N-608
陸軍の命運をかけて計画された特殊大型爆弾・さくら弾搭載機による特攻作戦。第二次大戦末期、戦勢の回天をもとめる陸軍上層部の愚作によって犠牲となった飛行第六十二戦隊員の悲壮なる覚悟を描く。一機一艦轟沈をめざし、体当たりを敢行する、片道燃料の死が約束された出撃に際し、搭乗員たちは何を考え、どう行動したのか。その心情を吐露する感動作。
N-609
神風特攻隊での戦死率41パーセント―若き血潮を湧き立たせ、日本海軍航空の中核戦力として、つねに最前線で戦った“海の若鷲”養成所の春夏秋冬。大空を飛翔する日を夢見ながら果たせず、翼をもがれた少年飛行兵たちが、さまざまに織りなす予科練絵巻。海軍飛行予科練習生たちの青春を描くイラスト・エッセイ。
N-610
その産声をあげてから現代にいたるまで、旅客機はどのような発達をとげてきたのか―レシプロ機の進化からジェット旅客機の誕生と発展、イギリスとフランスの威信をかけた超音速旅客機の光と陰、エアバス対ボーイングの果てしなく続くシェア争い、そして、さらに進むハイテク化など旅客機の発展の歴史が驚くほどよくわかる一冊。
N-611
昭和十四年、ノモンハン事件でソ連軍に惨敗を喫した関東軍は、軍用気球戦術の研究を密かに進めていた―気球による爆撃のみならず、兵員が搭乗して敵陣に侵攻するという奇襲戦法が採用された。兵士を吊るして空中飛流を行なうという無謀とも思える挺進作戦は、どのような理論と技術で実用の段階に達したのか。
N-612
空母「飛龍」艦攻隊の一員として、開戦劈頭真珠湾攻撃に赴き、インド洋では英海軍空母ハーミスの最期を眺め、ミッドウェー海戦で帰投時に不時着水しながらも一命をとりとめ、また空母「隼鷹」艦攻隊員として、南太平洋海戦をも戦い抜いた不屈の空の男の体験記。硝煙渦巻く雷爆撃戦の実体を赤裸々に描く。 →新装版(N-1244)アリ
N-613
なぜ戦前日本の自動火器は、つねに欧米製品に半歩手前まで追いつけどもリードすることはできなかったのか―幕末の『甲鉄』艦に搭載されたガトリング砲から、四式戦闘機『疾風』の20ミリ機関砲まで、近代日本の自動火器の歴史を辿り、西洋技術をとりこむべく苦闘をかさねた日本兵器技術者たちの姿をともに描く。
N-614
ここに潜水艦魂の全てがある!潜水艦乗組員は親しい中にも礼儀と信義は微塵も揺がず、そしてビンタと制裁のない特別な軍隊になっていた―伊25潜水艦は北はアリューシャン、南はオーストラリア、東は米本土オレゴン州まで、2万キロ余の波涛を越えて、敵の領土深くに忍びこんで、敵の心胆を寒からしめた。太平洋戦争下の日本海軍潜水艦の戦いを描いた傑作戦記。 →新装版(N-1000)アリ
N-615
戦火の時代に青春を迎え、好むと好まざるにかかわらず、学窓から海軍に身を投じ、懊悩相剋の果て、大空に殉じた若き学徒兵の魂の絶唱!祖国のため、父母のため、愛する人のために、特攻に斃れた海軍予備学生の真情。
N-616
幕末日本人の度肝をぬいた黒船の来航。はじめての外圧、巨大な蒸気船の威容を目にした江戸庶民の衝撃とは。一一世紀に大西洋を航海したヴァイキングの高度な造船技術、現代の船旅に集約される各種サービスの起源など、船と航海をテーマにした驚きの一四篇を紹介。写真・図版と共に贈る異色のノンフィクション。
N-617
昭和十九年秋、日本海軍が総力を注いだ捷一号作戦はレイテ湾突入を目前にした栗田艦隊の突然の反転によって、水泡に帰した。最後の日米決戦の舞台において何が起きたのか―「武蔵」をはじめ戦艦三隻、空母四隻を失う連合艦隊の敗北の最大の謎を戦艦「大和」暗号士が、自らの体験と多くの証言を基に真相を明かす。
N-618
艦戦と艦爆の混成航空隊としてガダルカナル、ニューギニア方面で死闘をくりひろげた第五八二航空隊。ラバウルで、そして最前線基地ブインで、庶務主任として部隊を支えた主計科士官が歴戦のベテラン搭乗員の戦いのときを地上員たちの知られざる苦労の日々をつぶさに描いた異色のソロモン戦記。学窓から戦場へ四ヵ月の教育で赴いた短現主計科士官の戦い。
N-619
第二次大戦でその頂上を極めたとされるレシプロ戦闘機の意外な裏面史を描いた話題の航空読本―奇しくも同じ名称の日本海軍雷電とP‐47サンダーボルトの共に苦しんだ発達過程とその後の明暗、各国の空冷エンジン戦闘機の茨の道のり、ターボ過給機をめぐる関係者たちの熱き情熱など、知られざるエピソードを綴る。
N-620
武器を捨て、降伏の後、ソ連軍によってシベリアに連行、強制労働を強いられた日本兵五十八万人―零下六十度の中、想像を絶する収容所の生活を耐えぬいた若き一兵士が、不毛の凍土に倒れ伏した五万五千の戦友の思いを描いた鎮魂譜。奇しき運命に翻弄され、病をのり越えて生還を果たした苦難の道を赤裸々に綴る。
N-621
日本海軍で飛行機というものが採用され、大正元年に横須賀上空を飛んでから30年―それまでの主力だった砲術部門を凌ぐ質と量をもつまでになった海軍航空。『空母こそ艦隊の主力』を世界に示した日本海軍エビエーションの歴史を写真と図表と共に描いた話題作。航空への夢を追いかけた男たちの不屈の戦いを綴る。
N-622
日露戦争の勝因は“アリサカ・ライフル”にあった! 本書を一読された読者には、もう明治陸軍は、現代史の中の、キャラクターのない部隊名や兵員数、大砲の数などではなくなるだろう。日本人がどんな心配をしながら戦っていたのかがわかるようになるだろう。<本文>より →新装版(N-1344)アリ
N-623
これを読めばアメリカの底力と恐ろしさが良く分かる―日米がお互いを想定敵国とみなしたのは明治の末期までさかのぼる。相手国のあらゆる情報を得ることに努力と資材をおしみなく傾注した国と情報収集を軽んじた国。その結果は戦争運営において表われた。日米双方の開戦後もなお続いた想像を絶する水面下の戦いを大本営参謀の体験をもとに描いた戦慄の情報戦最前線。
N-624
『坂の上の雲』の主人公 知謀湧くがごとき戦術家の生涯 日本海海戦でロシア艦隊を撃破した決め手は「丁字戦法」をとった事である。瀬戸内海海賊の兵法書を読んだ秋山真之が、そこからヒントを得て考えだしたものであった。<まえがき>より
N-625
『坂の上の雲』を彩った神算鬼謀、偉大な軍師の生涯 乃木軍が旅順方面の要地二○三高地を攻めあぐむと、児玉は同地にふっとんでゆき、神算鬼謀の作戦を決行させ、たった半日で攻略占領させた。作戦計画の真意義とは、敵の意表を衝く要点である。<まえがき>より
N-626
日露戦争を体験した軍人で太平洋戦争で現役だったのは、山本五十六や米内光政など少数の“出世組”である。第一線で地獄をみたのは、日露戦争を知らない世代であった。身をもって戦争の悲惨さを知っていた山本と米内―未来の提督が日露海戦で見たものは何か。そして命をかけて守ろうとしたものは何だったのか。
N-627
特攻隊員は生きて帰ってはならない―戦争末期、沖縄の米軍に特攻攻撃を行なうため発足した陸軍第六航空軍で編成された振武隊。上層部の無謀な命令で旧式機や訓練機で出撃せざるをえなかった特攻隊員の心情はいかなるものだったのか。そして、体当たりを断念し、帰還した彼らが収容された『振武寮』の実態とは。
N-628
第一次大戦でドイツ軍がはじめて実戦で作戦を行なった落下傘降下―人間が、安全確実に空からとび降りる手段として発明された落下傘の歴史から、壮大なる空挺作戦にいたる降下部隊の発達を辿る戦争ヒストリー。『空の神兵』と謳われ広く国民に喧伝された日本陸海軍落下傘部隊の誕生から終焉までを描く話題作。
N-629
第二次大戦中の欧州戦において連合軍とドイツ軍が、本当に真面目に考え出した珍兵器の数々―上陸軍を阻む火炎防壁、百五十機が載る氷山空母、空気弾を射つ旋風砲、炭塵爆発の力で飛翔する円盤、あっと驚くパンジャンドラムなど、その創意と工夫を凝らした製作背景も捉えた異色の兵器読本。写真図版百二十点収録。
N-630
暗黒のソロモン海上で日米の水上艦艇同士が演じたドラスティックな砲雷撃戦のドラマを刻々と変化をとげる水雷戦隊の航跡とともに見事に描いた傑作海戦記―わずか二百名が乗艦する白露型駆逐艦「五月雨」の開戦時からマリアナ沖海戦後の座礁離艦にいたるまでを艦橋配置に勤務する若き兵曹が活々と綴る。大戦中、最も酷使されたという駆逐艦乗員の汗と涙の暮らしを伝えるノンフィクション。 →新装版(N-1180)アリ
N-631
退勢つづく戦局を、一挙に挽回すべく、マリアナに来襲する米艦隊を迎え撃って発動された“あ号作戦”―海軍首脳が絶対の自信と総力をあげて挑んだ決戦に参加した商船改造空母「飛鷹」の航跡。正規空母なみの実力を誇り、乗員たちの団結力も固い、精鋭艦の戦いを活写する。ユニークな蘭印戦線転戦記も併せて収載。 →新装版(N-1128)アリ
N-632
海難史上、最も凄惨な出来事といわれるバタヴィア号事件で、なぜ百名の人々が殺されたのか。入ると二度と出られない魔の海域サルガッソー海の真実の姿は?殺人事件、幽霊、超常現象等々、想像を超えた船にまつわる戦慄のエピソードを紹介する話題作。大自然の前に無力なる人間が起こした奇妙な物語の数々を収録。
N-633
昭和二十一年より始まったビキニ環礁の原水爆実験は、十二年間にわたり、実に二十三回にもおよぶ―米ソ冷戦下に、「人類の平和のため」という名目のもと故郷を追われたビキニ島民たちの苦悩の足跡を丹念に取材したノンフィクション。大国のエゴに翻弄され流浪の民となった人々が辿りついた果てに見たものは何か。
N-634
九・一一のテロと特攻は同じなのか――戦前の若者たちは、わが身を捧げるのに喜びを持つことができた――果たして、そうなのか。カミカゼ特攻の一人一人に接し同じ学徒として、同じ特攻として、同じ煩悶を共有した仲間の一人が、この無惨なる死を、人間としての尊厳と名誉と真実を明らかにすべく実証する感動作。
N-635
設計・生産・整備の充実と発展がなければ航空兵力は成り立たない。大戦中、日本の航空戦を陰で支えていた、知られざる努力と奮闘のシステムを綴る感動作。現代戦の舞台裏で地道な作業に勤しんだ人々の記録。夜戦ヘルキャットや日本の対潜哨戒機などテクノロジーを駆使した航空戦の陰の戦いを描く三篇も収載する。 →新装版(N-1164)アリ
N-636
性根も尽き、体力も消耗し果て、『俺にかまわず先に行ってくれ』と食糧もないジャングルにただ一人残った兵士の心情―まさに草生す屍。航空地図と星空を唯一の頼りとした、四ヵ月にもおよんだ西部ニューギニアの悲劇の撤退の末路。人を寄せつけない大自然と飢餓と米軍を敵とした日本将兵の断腸の思いを綴る。
N-637
彼らは、悩み、悶え、日々の猛訓練を通して更なる自己をみつめ、「一機一艦」を屠るも日本に勝利のないことを、よく理解していた。それでも、外からみれば敢然と出撃していく。「針のムシロ」に座らせられたような生活と環境。基地の周辺での純情物語―「特攻死」の体験者が自ら描く感動のノンフィクション。
N-638
原題の『悪魔の金床』とは、海兵隊員が金床の上で押し潰されるように消耗していく様を暗喩したもので、全編を通じてまさに生の現場を経験した者でしか描写し得ない、迫真の内容で構成されている。太平洋戦争の実戦経験者が鬼籍に入っていく中で、これだけ多くの、集大成的な証言集の資料的な価値は高いと考える。 →新装版(N-1132)アリ
N-639
大戦中、箱根の山で百人余のドイツ海軍将兵が一軒の老舗旅館で帰国の日を待っていた。その歳月は四年に及んだ。どんなに帰りたかったか。日本の兵隊が南方の島々でひたすら故国を思う心情と少しも変わらなかった。異国の山の中で苦しいほどの望郷の念が彼らをとらえていた。規律正しい日々を過ごすドイツ兵たちと現地の日本人との心温まるエピソードの数々。戦後、六十年を経て再会するまでを描いた感動作―。
N-640
ゼロ戦―その優美で繊細なスタイルに加え、戦争の末期に特攻の主役となった悲劇的な最後は、日本人の心情を強く揺さぶるものがある。名優の栄光と凋落。それを目のあたりに演じてみせたのが、ゼロ戦であった。人々の心の中にいつまでも生き続けるであろう、名優の生い立ち演技の過程を愛情こめて振り返る。
N-641
戦争を知らない素人から戦争オタクまでが納得する―兵頭二十八軍学塾頭とのQ&A問答集。太平洋戦争末期の日本兵、各国軍の装備、編成、戦術、士気から、サバイバルテクニックまで、ディープな知識にどっぷり浸って“窮極の想像力”を養おう。 →新装版(N-1204)アリ
N-642
初飛行から百年―明治の日本人たちは農業国から科学工業立国への道を歩み、欧米と肩を並べるべく、旺盛な求知心と比類なき勤勉さで懸命に努力を重ねた。あらゆる分野でゼロから出発した明治人、日本の航空のはじまりを真摯に模索した軍人、科学者、発明家たちのドラマ―彼らを支えた一般大衆の底力を描く物語。
N-643
出羽富士とよばれる東北の名峰を艦名とし、日本重巡のシンボルとして誕生した名艦。三五ノットの速力、二〇センチ砲一〇門と一二門の魚雷発射管を搭載する強大な力は世界の注目を集めた―内外に広く知られ、連合艦隊の中核戦力として輿望をになった「鳥海」のマレー方面攻略作戦からその終焉レイテ海戦までを描いた海戦記。元乗員が武勲の誉れ高い傑作艦の死闘の航跡を綴る。 →新装版(N-1188)アリ
N-644
なぜ、日本軍は双発爆撃機が航空戦力の主軸となり、米軍は四発の大型爆撃機がその主力となったのか。日米陸軍航空の双発爆撃機、B‐25と九七式重爆撃機の開発コンセプトから実戦にいたるまで、日米の双発爆撃機に対する思想の相違を明らかにする話題作。両国の制式前後の混乱に見る航空機の懐の奥深さを描く。
N-645
昭和二十年一月、マニラをめざして南下する米軍の前に立ちはだかる標高わずか二〇メートルのカバルアン丘―二週間にわたって米軍の進出をくい止めた千名たらずの大盛支隊の壮絶な死闘を描く。上層部の無策な命令によって孤立無援となりながら、敵をも驚嘆させる抵抗を見せた無名兵士たちの戦いを綴る陸戦記。
N-646
太平洋戦争の開戦時、南雲機動部隊の行動をカムフラージュするためのオトリ部隊となり、ミッドウェー島に猪突猛進。スラバヤ海戦は勇躍奮戦するも、戦果はすべてが上級部隊の手柄となる―高速力を活かして重宝がられ、貧乏くじをひきつづけた日本海軍の駆逐隊の戦いの日々。極北の氷海から南溟の果てまで太平洋狭しと暴れまわった“駆逐艦野郎”の赤裸々な姿を描いたノンフィクション戦記。 →新装版(N-995)アリ
N-647
太平洋戦争を終結に導き、日本を救おうと心血をそそいだ高木惣吉海軍少将―時の首相、東条英機の暗殺を企て、内閣打倒を画策した俊才の人物像にせまる。部外者の目にはふれることのなかった、「高木資料」をもとに、日本海軍が企図した終戦工作を明らかにし、その中核となった高木少将の行動に肉薄する話題作。
N-648
原則として戦争期間のみの使用を目的に物資や人員の輸送を行うために造られる船。こうした船舶を第二次大戦中に保有したのは米国、英国、そして日本だけであった。独創的設計や斬新な技術を採用し、リバティー型、エンパイヤ型を量産した米英と戦時急造の概念に欠けた日本。各国の運用思想の違いに見る成功と失敗。
N-649
発掘された第一級史料によって分かる、希代の風雲児・石原莞爾の驚愕なる国家構想とその戦略―篋庭に秘されていた「昭和十二年日記」「満州備忘ノート」「昭和十三年日記」を解読、満州合衆国再建の秘策に迫る。ベールにつつまれていた参謀本部第一部長、関東軍参謀副長時代の思考と行動を初めて明らかにする。
N-650
九州に上陸するオリンピック作戦、続く関東へ進攻するコロネット作戦、そして北海道を狙うソ連軍など、太平洋戦争の延長戦をリアルタッチなイラストと共に描いた戦慄のシミュレーション戦記―陸軍の決戦思想が太平洋戦線でかなわず、日本本土において行なわれたとすれば?想像を絶する仮の歴史を綴る異色の戦記。
N-651
開戦時から比島終末戦までを綴る過酷な戦闘機操縦員の戦い。戦場の空を飛び、生死を賭けた勝負を挑んだ零戦乗りの苦悩を赤裸々に描く空戦記。
N-652
肉じゃがが日本海軍にルーツがあるとするならば、真剣な兵食改善の歴史があり、説得力ある背景が成り立ち、日本国民の栄養改善、食生活史にもかかわる問題としてとらえていくこともできるのである。
N-653
首里防衛戦の西端にある名もない丘をめぐる争奪戦で、米第六海兵師団は二千名を超える戦死者を出した。中隊は小隊規模になり、さらに分隊規模になり、最後はシュガーローフ上で染み込むように消えていった。
N-654
陸上から移された大砲は、船上という特殊な状況に適応するためにどんな工夫が凝らされたのか―帆船時代から近代後装砲と装甲の勝負など、艦載砲の発達の足跡を図版と写真で詳解する。 →新装版(N-1220)アリ
N-655
この事件で活躍したのは女たちであった。凍えて仮死状態となって漂着する兵士を自らの温かい肌で抱いてよみがえらせた。これらの献身的な行為は『人肌救助』と呼ばれて、たちまち全国へと報道されて多くの人々の感動と関心を呼んだ――。半世紀以上もの歳月を経て伝説と化した生命を賭して救難に赴いた人々の記録。
N-656
ヒトラーの命令を唯一とし、忠誠をつくすことを求められた軍隊。権力抗争に明け暮れながら、強大な軍事力を独自に発展させた武装SSとは、どんな組織だったのか。プロイセン陸軍の流れをくむ国防軍との複雑な関係を明らかにし、その誕生から終焉までを辿る。写真・図版350点を駆使して詳解する精鋭部隊の全貌。
N-657
ある夜、元自衛隊情報幹部の枕許に現われた朝鮮人民軍元帥・呉振宇。金日成主席の当番兵から軍のトップに昇り、政権ナンバー2として金王朝の表も裏も知りつくしていた男は揺れる母国の来し方と行く末を静かに語り始めた…。自衛隊情報部門で北朝鮮情報を追い韓国駐在武官も務めた元陸将が、独裁政権の動向を半島の地政学をふまえ多角的に分析、大胆な設定の対談で分かりやすく読み解く。
N-658
もう駄目だ。生か死か、ぎりぎり一杯のところまで追いこめられた私は、何回、舌を噛み切って死んでしまおうと思ったか知れません―大戦末期、晩秋の熊野灘沖合での被雷の瞬間、そこに見た巨艦最後の雄姿―総員退去の号令、刻々と沈みゆく「信濃」艦内の緊迫した状況をつぶさに描いた感動のノンフィクション。
N-659
大空の女王―復活プロジェクト。かつて、九七式大艇、二式大艇、戦闘機「紫電改」を世に送り出した航空技術陣が、戦後の空白を越えて挑戦した新たな傑作機誕生までの日々。戦闘用から人命救助へ。対潜飛行艇PS‐1、救難飛行艇US‐1、US‐1A改開発への苦しくも希望に満ちた道のり。夢を実現した男たちの足跡を辿る感動のノンフィクション。
N-660
絶えず変化する目標を捉えるため、複雑な機能を要する高射砲は航空機の脅威と戦いながら、いかなる発展をとげたのか。大正元年に完成した高角三十七粍砲から太平洋戦争末期、本土の空を守った五式十五糎高射砲まで、発達の歴史を詳解する。火砲の構造・機能、歴史を解説した「陸軍火砲の基礎知識」と「概説」を収録。
N-661
戦争のあるところ、国家の存在する限り、不可欠なのは謀略戦であり、機密戦、スパイ戦なのである。実戦で勝つより、謀略戦によって勝利を収め、実戦に至らないなら、これこそ作戦の至高最善の道であり、これ以上、安価な買い物は無い。 →新装版(N-1296)アリ
N-662
正式名称「陸軍潜航輸送艇」秘匿名マルゆ。設計は陸軍技術士官、建造は機関車・ボイラー工場、そして乗員は元戦車兵。海にはシロウトの陸軍が、計画決定後わずか10ヵ月で1号艇を完成、終戦までに40隻を竣工させ、制空権なき海を遥かフィリピンへも派遣させたマルゆ―日本軍ロジスティクスの欠陥が生んだ決戦兵器を関係者の証言で綴る話題作。 →新装版(N-1075)アリ
N-663
どうして北朝鮮は日本を敵視するのか。また韓国が反日教育を展開する本音を、あなたは知っていますか。民族的資質や歴史、地理、文化、生活習慣、国民性、経済、日本との交流等々、朝鮮民族の「恨」の構図を分析し、近くて遠い隣国の本質を理解するための一冊。
N-664
航空用爆弾を持つ恐るべき可能性に迫る兵頭軍学塾頭の渾身作。エア・パワーの時代を見すえた日本海軍が造った爆弾はその種類の多彩さ、質の追求、数量などいずれにおいても陸軍の爆弾を凌駕した。陸用、通常、徹甲、対空、対潜水艦など数十種類もの爆弾を詳解する必携の一冊。図版等多数収載。附録・日本陸軍の爆弾。
N-665
鹿児島志布志湾を出港した近海連絡船が、エンジン故障のため漂流。42日間にわたる恐るべき死との戦い。貴重な証言とともに浮き彫りにされる戦時下の遭難記録。
N-666
撃沈破された海軍艦艇30隻、輸送船17隻。90パーセント戦死!「作戦継続は将来史家の非難の的になる」と諫言した山下奉文司令官の言葉通りになった。初めて明かされた9度にわたる作戦の全顛末。日本海軍最後の輸送作戦の全貌。
N-667
紺碧の大空を駆けぬけた予科練パイロットたちの獅子奮迅の航跡!不撓不屈の搭乗員魂を叩き込まれた“花の予科練”暮らし。七つボタンは桜に錨──志も高く、研鑽をかさねた若鷲たちの熱き日々を描く感動の体験手記。 →新装版(N-1196)アリ
N-668
明治の日本が、そして秋山兄弟が挑んだ大国ロシアは、なぜ、戦いを望みながら敗れたのか。三百年続いたロマノフ朝に巣食う階級社会の崩壊、ニコライ二世の優柔不断と私腹をこやす閣僚たちの暗躍、列強各国の思惑とシベリア鉄道の脆弱等。ヨーロッパの嫌われ者としてのロシアの内部事情を描いた日露戦争の敗因の証明。
N-669
南洋の小島を守りぬいた日本陸軍随一の“弱兵”の戦い。上官には頼られ、部下からは慕われた、お人好し軍曹―逃げ場のない殺伐とした戦場で、自分を見失わずに生きた下士官の異色戦記。内地の兵営生活から最前線、人間性が現わになった捕虜体験まで描く。
N-670
“決定的瞬間”に隠されたある特攻の軌跡!レン・シュミット上等兵は、特攻機のつばさが船体に激突する寸前にシャッターを切った。この写真は第二次大戦において最も記憶されるべき傑作となった、その激突の痕跡が、今日もハワイ真珠湾のミズーリの船体後部に残されているのである。
N-671
零戦―正式名・零式艦上戦闘機。登場時に無敵を謳われ、日本が敗れた日まで飛びつづけた海軍主力戦闘機。この名機と共に過酷な戦争の歳月を戦い、敗戦の衝撃を乗り越えて激動の時代を生き抜いた搭乗員と技術者それぞれのドラマを丹念なインタビューで描いた異色のノンフィクション。「ゼロ戦」に青春を捧げた十人の男たちが、長い沈黙を破って初めて語ったドキュメント「祖父たちの戦争」。
N-672
太平洋戦争末期に登場した対日戦の要塞B‐29爆撃機―その誕生までの社命を賭けたボーイング社の知られざる道のり、戦略爆撃システム完成の過程、そして、朝鮮戦争での挫折までを描いた重爆撃機マネジメント物語。完成途上での苦悩と予期せぬエンジントラブルなど戦史には載らない事実を詳解する話題の航空読本。
N-673
昭和十九年四月、“玉砕引当部隊”として南西諸島最南端の沖大東島に配備された第八五兵站警備隊第四中隊。絶海の島を守り抜いた陸海将兵、そしてラサ島鉱業所の民間人―守備隊長として責務を果たした陸軍中尉の苦闘を描く。島嶼防御の困難と極限下の人々の融和と生命の貴さを謳いあげた知られざる沖縄戦を綴る。
N-674
潜水艦とは、どのような艦なのか。また潜水艦はどのように働き戦ったのか。そして潜水艦をいかに使い、いかに戦えばよかったのか―日本海軍潜水艦の実状とその奮闘の航跡をたどる“潜水艦戦入門”。開戦劈頭の真珠湾の戦いから、大戦末期の人間魚雷戦まで、潜水艦戦のハイライトを生々しい体験談を基に描く海底戦の実録。回天担当参謀が綴った“どん亀”苦闘記。
N-675
戦いは貴重な生命をかけて戦うが、相手の殺傷が目的ではなく、己れの意思を相手に承服させるのが目的であって、戦争はその手段にすぎない。それがゆえに、“必死”を前提とする特攻は兵術以前のものである。しかしその犠牲を通じ、旺盛なる戦意を示し本土決戦の破局を回避して、今日の経済的繁栄を迎えた一因であることは国民の銘記すべきことである。
N-676
口経5センチから30センチに倒る大口径、大落角で大量の爆薬が装填された弾丸を発射する迫撃砲。太平洋戦争末期になり離島防護と本土決戦用として配備された噴進砲、無反動砲。そして射程50キロに達する沿岸防御の列車砲、装甲列車など日本陸軍が研鑚を積みかさねて装備した多種多様な特種砲の構造・機能を詳解。 →新装版(N-1300)アリ
N-677
なぜ日本は日露戦争の勝利という頂点に立ちながら、転落の道を歩まねばならなかったのか―日本という国家の脆弱さと列強の思惑をよく知り、米英との協調のなかに日本の進むべき道を見出そうとした海軍の至宝、加藤友三郎。日本海海戦で連合艦隊参謀長として奮戦し、また偉大な政治家でもあったその足跡を辿る。
N-678
撃つ弾もなく、飢えを凌ぐ糧一つなく、医薬品さえ手に入らず、悪疫のはびこる劣悪の南太平洋の戦場で、アメリカ軍の猛攻に堪え、辛酸を舐め尽くしながらも奇蹟の生還を遂げた若き海軍士官の回想。戦史にも言及されないブーゲンビル島の終戦までの二年間にわたる凄惨な戦いの情況を克明に描いたノンフィクション。
N-679
日本最初の敵機撃墜を記録した搭乗員から、零戦のデビュー戦、さらに終戦三日後の日本海軍最後の空戦に参加した搭乗員まで、不屈の闘志と矜持を抱いて戦い、傷つきながらも生き抜いた男たちが、初めて自らのことばで語った戦争の記憶。一〇〇〇時間にもおよぶインタビューと、五年にわたる綿密な取材で得た膨大な写真・資料をもとに戦争と人間の真実を伝える著者渾身のノンフィクション。
N-680
不沈の潜水艦長として謳われた海の王者―赤貧洗うがごとき家庭に生まれて、画家をこころざした少年時代、躍動する連合艦隊の黒鉄の美しさに魅れられて、海軍兵学校に入校、潜水艦乗りをめざし、己れの信ずるところにしたがって生きた指揮官の青春の奔流を綴る感動の戦記。
N-681
昭和十七年、第二次大戦のさなかに横浜港で起きた、同盟国ドイツの仮装巡洋艦爆発。陰謀説もささやかれるなか、報道管制のため歴史の闇に埋もれていた謎の事件にせまる迫真のノンフィクション。緻密な取材で明らかとなるその真相とは。被災者となったドイツ人将兵たちと横浜市民、戦後の日独交流まで追った感動作。
N-682
古来より船は、リサイクル・リユースの最先端を歩んでいた。ギリシャや江戸の千石船に至るまで、貴重な資源の船材は洋の東西を問わず大切に使われていた。現代では船舶のスクラップ鋼材は、ほぼ百パーセントが新たな鉄鋼として生まれ変わる。船のリサイクルの実体と船舶の解体現場まで描く中古船の活躍の歴史。
N-683
戦死者あいつぐ太平洋戦争の敗勢の中で故国を守るため勇敢に戦った海軍兵学校72期の海のサムライたち―連合艦隊の中核戦力は何を考え、悩み、悶え、どう戦ったのか。圧倒的な米航空兵力および物量に対し、一矢でも報いようとして、奮闘し続けた海軍士官の聞き書きを元に、勝負以外の“守る”ということの行為を問いかけた日米海空戦ドキュメンタリー。
N-684
炸裂する爆雷、圧漬の脅威に打ち勝つ不屈のどん亀乗り魂!/炸裂する爆雷、圧潰の脅威に打ち勝つ不屈のどん亀乗り魂。一蓮托生―艦も人も闘魂をみなぎらせ、暗黒の底ふかく虎視耽々。“鋼鉄の柩”に青春を賭した秘められたる水中血戦記録。/艦は傾き、どんどん沈下している感じだ。黄色いガスがたちこめ、目は痛み、涙がボロボロと落ちてくる。温度も上がり、まるで生き地獄だ、いまにも船体の全リベットがちぎれて、浸水してくるのではないかと、気が気でない。(本書より) →新装版(N-1228)アリ
N-685
74式戦車はT62をいかに撃破するか―道北防衛の重責を担い、陸自最強連隊の指揮官として対ソ戦に腐心した著者が、現代の戦争に視点を据えて、これからの戦車の在り方と戦い方を描いた話題作。最新鋭10式戦車の卓越した性能にも触れ、PKO、与那国島、道北防衛戦の実際をシミュレートする架空戦記3編を収録。
N-686
昭和十七年一月十一日、セレベス島メナドに日本軍として初めて落下傘降下を行なった硬骨の指揮官、堀内豊秋大佐。訓練の基礎は体操にありと、海軍体操を考案し、また占領地司令官として親しみをもって現地住民にむかえられながら、戦犯として刑場の露と消えたその生涯を描く。戦争裁判の不条理と共に綴る感動作。
N-687
敵機のパイロットの技術は、彼らの戦闘機の性能ほど優秀ではなかった―坂井氏自らは述懐する―日中戦争から、フィリピンへ、ラバウル、硫黄島へと、不惜身命の信念の下、出撃すること二百余回、敵機大小六十四機を撃墜して、戦後全米エース協会に招かれて、世界のエースの仲間入りを果たして、世界の喝采を博する小さな巨人がつたえる空戦記。
N-688
絶体絶命の総力戦、日本本土を死守せよ!/ぶきみな爆音を轟かせて飛来する敵機―迫り来る米上陸部隊の脅威に立ち向かった名もなき兵士たちの過酷なる戦闘の日々。/「まだ撃つな!」と注意がある。敵はしだいにふえ三十人以上になった。「撃て!」の命令が発せられ、撃ちまくった。ただちに後退すると、たったいまわれわれがいた丘には敵の機銃や迫撃砲が雨あられとふりそそぐ。(本書より)
N-689
水雷兵器は銃や大砲と違い、その歴史は大変新しい。最も早く発明された機雷もその歴史は二百三十年で銃や大砲などの三分の一程度である。しかし水雷兵器のその後の発達は急速で、近代から現代に戦われた多くの海戦で、主力兵器として登場してくる。現在はエレクトロニクス技術と一体となり水雷兵器は存在する。 →新装版(N-1336)あり
N-690
昭和十七年八月七日、米軍の上陸から六ヵ月にわたってくり広げられたガ島戦。日本軍ほどの精兵はいないと言われながら、あまりにも無策な上層部のもとで戦わなければならなかった前線の将兵たち。彼らの奮戦敢闘ぶりとガ島をめぐる陸海軍の悪戦指導を、アメリカ側の資料も随所にまじえ、忠実に再現した異色戦記。
N-691
40ノットの高速で敵艦艇を襲う魚雷艇―戦艦・空母など大型艦艇の建造・運用では世界一流を自負していたはずの日本海軍が、なぜ排水量わずか20トン程度の木造艇を、戦場において活躍させられなかったのか。魚雷艇王国・アメリカのPTボートや直接手本としたイタリアのMAS艇、ドイツのSボートなどと比較しつつ、日本魚雷艇の歴史と問題点を探る海軍技術史。
N-692
渡洋爆撃に雷撃に、防御力も脆弱な愛機を駆り、頼もしきペアーとともに弾幕の中に突入した勇猛果敢なる大空の戦士たち。―長距離進攻作戦の主役・海軍中攻隊の秘めたる航空血戦記。表題作の他4編収載。/「射て!」重い魚雷が機体をはなれる瞬間、軽いショックを感じた。海面すれすれに突っ込み、避退にかかる。「やったぞ!」という叫び声に振り向くと、レパルスの艦尾から巨大な水柱が盛り上がっている。(本書より)
N-693
世界を震撼させた電撃戦の尖兵となって怒涛のドイツ陸軍の進攻を容易に導いたブランデンブルグ部隊。種々の専門技能、外国語にも精通し、優れた体格を有する恐るべき戦争のプロたち―アクション戦争映画を超えたドイツの想像を絶する特殊作戦の実体を描いた異色の欧州戦史。歴史の裏側に潜む知られざる事実を紹介。
N-694
ビルマで勇名をはせた加藤隼戦闘隊はじめ、ノモンハン、南方で戦った名パイロットの最期を描く。絶望的な戦況下にありながら、なお、“空の男”の矜持を抱きつづけ、死と隣り合わせの非情の世界を駆けぬけた、その生きざまを活写する。エース・坂井の列機、闘志の男本田敏秋二飛曹の素顔を綴る「人間の谷間」併載。
N-695
それにしても近代日本は、なぜ戦争ばかりしていたのか?/明治創業期の緊張感と柔軟性を失った保守官僚的な人々の思い上がりと功名心―敗戦への道を歩んだ起源を探る。/中国などが“歴史認識”を強調し、日本人がしらけたり反発する図式がなおつづいている。歴史はどうなっていたのか。日本が小さな戦争のくり返しを媒介として歩んできた道を客観的にふり返ってみたい。(本書より)
N-696
奔騰する弾雨の海を艦も人もー体となって勇戦奮闘した駆逐艦乗りの負けじ魂!/生か死か、二者択一の究極の死闘の海で繰りひろげられる名もなき兵士たちの人間ドラマ。表題作の他4編収載。/「神風」は小型タンカー四隻を護衛して、マレー半島ぞいを北上した。翌十六日午後一時過ぎ、米潜水艦ホークビルとの、海の上と下での死闘が延々十数時間にわたっておこなわれたが、これがのちの映画『深く静かに潜航せよ』に再現された。(本書より) →新装版(N-1160)アリ
N-697
第1次大戦後、進化をとげる戦場の中で敵陣地の制圧と対戦車防御をも考慮した最前線で歩兵が使い易い軽量な歩兵砲。昭和11年にわが国初の制式制定された後、大口径と高初速の改良を求められていく対戦車砲と戦車砲。機動力を備えるため装軌車に火砲を載せた自走砲。特種砲を詳解する。車載機関銃、内〓(とう)銃も収録。
N-698
全長二七〇メートル、全幅四〇メートル、基準排水量六万二〇〇〇トン。戦艦「大和」「武蔵」につぐ三番艦として計画されながら、空母に改造された「信濃」。昭和十九年十一月二十八日、非戦闘員を含む二五〇〇名もの人員を乗せて横須賀を出航した同艦は一七時間後に太平洋の波間に消え去った―通信員として乗り組み、奇蹟的に随伴駆逐艦によって救助された一少年兵が重い沈黙を破って赤裸々に語る非情なる体験。
N-699
沖縄は六月二十三日に終戦の日を迎える。戦没者約二十二万人、うち県民の戦没者七十パーセント、十五万三千余名―。本土決戦の捨て石にされて、無慈悲なる地上戦を強いられた沖縄戦を、根こそぎ動員をかけられ、米軍の砲爆撃のなかを生きぬいた生存者達の抜き難い思い出をもとにした沖縄の戦争異聞。
N-700
高速、重兵装を誇った海戦の主役・巡洋艦の壮絶なる死闘 表題作の他4編収載/高速、重兵装を誇った海戦の主役・巡洋艦の壮絶なる死闘。つねに艦隊の先頭に立って雄々しく戦い、激戦の果てに迎えた悲しき終焉を、一兵卒から艦長までが語る迫真、貴重なる証言。/「最上」の主砲は初弾から命中弾をだした。米垂巡ヒューストンは火だるまになり、戦闘力を失った。続いて豪巡パースを猛撃、瞬時にして大火災、大爆発を起こし、たちまち沈没した。戦場海面は臭っ赤に染まり、ものすごい様相である。(本書より)